『セントアンナの奇跡』

私的に、久々のヒット。
というか、ホームラン!
あまりに良かったので、今観終わったばかりですが感想を。
第二次世界大戦中の、イタリアの前線で戦う米国黒人部隊にスポットを当てた映画。
同じアメリカ兵でありながら、白人と黒人との差別があからさまだった時代。
突然、私事ですが・・・
・・・私が小学二年生のとき、父の仕事の関係で一年間、アメリカはコロラド州のデンバーにいました。
私は言葉も分からないまま、地元の小学校に放り込まれました。
同じクラスメイトからはありませんでしたが、上級生からはものすごい差別・イジメを受けました。
今でも覚えています。
"Chinese, Japanese,Look at this,Watch at this!"
小柄な日本人からすれば、上級生のアメリカ人は父親よりも大きかった。
そんな彼らが、大声で囃し立てながら石や砂を投げつけてくるのでした。
怖くてたまりませんでした。
差別されている理不尽さを呪う余裕さえありませんでした。
ただ嵐が通り過ぎるのを待つ。
そんな思いで、私はただ丸くなって、一緒にいた弟と妹を庇うしかありませんでした。
・・・映画の前半、私はそんなことを思い出していました。
そして映画の中盤、非常に象徴的なシーンが描かれます。
アメリカ兵はアメリカ兵の立場で、ドイツ兵はドイツ兵の立場で、イタリア人は地元の教会で、それぞれが『同じ』神に祈りをささげます。
まさに『人間』。
これが、愚かで、滑稽な『人間』。
人間は自分たちの都合のいいように宗教を解釈し、そして利用すること。
戦争の根拠が人種であれ、宗教であれ、戦争の前にはすべては“屁理屈”に過ぎないこと。
これほど明快に描かれたシーンを私は知りません。
しかし一方でこの映画、人種や宗教を超えて、誰もが「人を愛せる」「人を大切に出来る」ことを教えてもくれます。
人間の抱える憎しみや怒りを、愛の代弁者(それが誰かは観てのお楽しみ♪)が癒します。
この映画、実話を元にしたそうですが、本当にこんなことがあったのならすごい!
最期のシーン、やや“あの映画”(ネタばれになるので題名は伏せます)とオーバーラップします。
しかし
こりゃ~
ヤラれました m(_ _)m
ブラ~ボ!!