相変わらずのサボりブログですが
前回に引き続いての映画ネタでございます。
・・・私の周りの方々はなかなか信用してくれないのですが
もともとの私は人見知りが激しいし、根が暗いんです。
ホントに信じてくれないんだけど(笑汗)
だから私の描く絵は、基本的に暗いトーンだし
好きな音楽だって、基本はマイナーコードの曲だったりします。
そして映画も。
好きな映画と問われてすぐ思い浮かぶ作品って
まぁ~その多くがハッピーエンドじゃない映画だったりします。
で、今回取り上げるこの作品。
・・・すでにこの作品については
相当多くの方々が鑑賞されたようですし、そのレビューもたくさん拝見されます。
今さら私なんぞが感想文を書くってどうなの?という思いもあります。
なので今回私
他の方々の映画レビューではあまり触れられていないと思われる部分について、その感想を書いてみようと思います。
本作について知った当初の私
と思ってました。
たしかに
取り上げられた設定というかテーマは重なるところがあったのですが
その内容はまた大きく異なるものでした・・・
・・・そして本作を観た私
今回何よりも、ヒロインである『服部樹咲さん』という女優さんに、私は大いに引き付けられてしまったんです。
もちろん
出演されている俳優の皆様方それぞれ、素晴らしい演技をされていらっしゃると思いました。
主演の草彅剛さんは今回、相当難しい役柄だったと思うんですが
映画の中盤以降の草彅さんはもう、トランスジェンダーという設定を乗り越えた、まさに「母」、母性の象徴を演じられていたように思いました。
水川あさみさんって
やさぐれた役柄となると、本当に素晴らしい演技をされますよね (笑)
・・・そんな素晴らしい俳優陣に囲まれた、服部樹咲さん。
ご本人はクラシックバレエ界の逸材でいらっしゃるということ
オーディションを勝ち抜いて、本作が映画初出演(!)ということ
まだ15歳(‼)でいらっしゃるということ
・・・いろいろと驚かされたし、にわかには信じられませんでした。
基本的には静かな演技だし、セリフもそれほど多くないんですけれど
多分、だからこそ本当は難しいはずじゃないかと思うんです。
樹咲さんの目や表情、立ち振る舞いというか存在感。
只者じゃないって思ってしまいました。
そして特に思ったこと。
映画の序盤で樹咲さん、バレエに憧れる初心者として踊る場面があるんですね。
本当は全国レベルのバレリーナとしての技術を持っていらっしゃる方が
「見よう見まねでバレエの踊りをする」という演技です。
・・・これって、物凄く難しいと思うんですよ。
「出来る」方が「出来ない」方の演技をするって、ともすると物凄くわざとらしくなるんじゃないかと思うんです。
私はバレエのことなどこれっぽっちも分かりませんが
映画の序盤、樹咲さんは本当に「たどたどしい」「危うげな」踊りを見せるんですね。
そのうえで映画が進むにつれて踊りが少しずつ洗練されていき
最後には、素人の私でも(本当に美しい!)と思える演舞をされるんです。
最終場面での「ニューヨークでの踊り」なんて
(これがあの危うげな一果(樹咲さんの役名)なのか⁉)と、驚愕させられました・・・
♢
もちろん
映画本編のことで申しましても、印象的な場面がたくさんありました。
一果が凪沙(草薙さんの役名)の作った「ハニージンジャーソテー」を食べる場面。
それぞれの皿に取り分けられた生姜焼きは
凪沙のそれよりも一果の皿に盛られた方が量が多いんですね。
そして「『いただきます』は?」と言われた一果が、素直に「いただきます」と答え
「ちゃんと野菜も食べなさい」と言われて、サラダに箸をのばす一果。
「そうそう、にんじんもね」と、箸をすすめる一果を見守る凪沙。
この上なく美しい母子の情景に、思わず涙腺が緩みました。
そして何より
特に映画のクライマックスともいえる、砂浜での踊り!
奇跡のような美しさだと思います‼
この写真だけでは分かりづらいですが
ロケーションと天気と時間帯
(こんなに海と空ってきれいなんだと思わされます)
靜かなカメラワーク
(砂浜と一果・凪沙の対比構図が素晴らしいと思います)
渋谷慶一郎さんによるピアノの旋律
(私は坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス』を思い出しました)
これらすべてが絶妙にマッチしています。
観ている側の私たちは
薄々、その先に待ち受けるであろう出来事に心が泡立つのですが・・・
それでもこの、一果の砂浜での踊り。
大袈裟かもしれませんが
私はこの場面、邦画史上に残る名場面になるんじゃないかとさえ思っております。
♢
個人的な感想ですけれど
本作がここまで素晴らしい作品となったいちばんの要因って、服部樹咲さんがヒロインに抜擢されたからこそじゃないかとさえ思うんです。
先にも書きました通り
私はバレエのことなど何一つ知りませんでしたし興味も持っておりませんでした。
でも本作を観て
私ははじめてバレエを(なんて美しいんだろう)と思いました。
・・・もしも私に娘がいたら
今の私なら間違いなく、自分の娘にもバレエを習わせようとするでしょう ♪
私が凪沙のようになれるかは別なんですけれどね・・・