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D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

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子どもは授かりもの

 
お葬式に「慣れる」という言葉は適切でないかもしれませんが・・・

様々なお葬式をお手伝いさせていただいてきたなかで
何度経験しても、決して「慣れない」お葬式というのがあります。
私の場合それは、若い方のお葬式であります。
もちろん、人の命がその長さによって区別されるものではありません。
それでも
長きに亘ってその人生を過ごされた方のお葬式と、前途ある若い方のお葬式とでは
やはりどうしても、私どもの気持ちの持っていき方も変わるというものです。


先日もまた
まだ成人式も迎えていらっしゃらない方のお葬式がありました。
ある重篤な病によって、その人生の大半を闘病生活に費やされたお嬢様のお葬式でした。
お葬式の打ち合わせの時点から
私自身、何ともやり切れない思いに駆られたものでした。
もちろんご依頼をいただいたわけですから、精一杯お手伝いするのですが
内心では(オレみたいな人間にこの方のお葬式を担当する資格があるのか)という、半ば自責の念のような思いがよぎるのであります。

そのお葬式では
亡くなられたお嬢様のお母様がご遺族の代表(=喪主)となられました。
ご依頼をいただいてからお葬式まで
終始、気丈にふるまっていらっしゃいました。

そして葬儀礼拝(その方はプロテスタント教会でお葬式をされました)の最後
参列された皆様へのご挨拶の言葉に、私は大いに心を打たれたのでした。

「(前略)
神様
私に〇〇(お嬢様のお名前)を授けて下さり、有難うございます。
〇〇が生まれてきてくれて、私はとっても幸せでした。
今日、あなたの元へ〇〇をお返しいたします。
神様、どうか〇〇のことをよろしくお願いいたします」


「子どもは授かりもの」とよく言います。
では、授けてくれたのは誰なのかと。
このお母様は
我が子を「神様から授かったもの」と捉え
そしてその魂が召されたことを以て
「(お嬢様の魂を)神様にお返しします」と宣言されたのです。
お嬢様を心から愛していらっしゃったからこその
お嬢様への無償の愛と、神様への深い信頼が込められた言葉だったのだと思います。

人の命とはそういうものなのだと
あらためて勉強させていただいたお葬式でありました。





by dscorp-japan | 2019-06-09 19:28 | 葬儀 | Comments(2)
Commented by pga2152 at 2019-06-10 02:05
この話を、子供を虐待して殺したり一生障害が残るほどの重傷を負わせて警察に逮捕されている両親に聞かせてやりたいと思いました。「子供は、授かり物。子供は、かすがい。」と言う言葉を贈りたいです。
Commented by dscorp-japan at 2019-07-04 17:41
☀pga2152さん。
まさに仰る通りだと思います。
line

これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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