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トレンド

 
お葬式に「トレンド」という単語が相応しいのかどうか分かりませんが・・・


日々、お葬式に携わっている立場から申しますと
お葬式にもトレンド(≒傾向)というのがあって、やはり以前以上に「家族葬」をはじめとしたお葬式の小規模化という流れが加速傾向にあるようです。
今や「家族葬」は「小規模なお葬式全般」を指すものとなってきております。
私どもがお葬式の打ち合わせに入ると
ご依頼者からまず最初にお話しいただくのが「ウチは家族葬でお願いします」という一言だったりします。
「亡くなった本人が高齢で、参列者も少ないから」
「お葬式に過度な費用をかけたくないから」
つまり
「超高齢化社会」と「お葬式に対する価値観の変化」がその要因となっているのでしょう。

「参列者が少ないから、こじんまりとしたお葬式で」という案件が増えることは
私自身、会社を立ち上げた当初から想定していたことでありました。
しかし
よもやここまでお葬式に対する価値観が変わるとは、正直思っていませんでした。
表題にある単語を用いるなら
私は「トレンドを見誤った」ということになるのでしょうね (^^ゞ

私が古い人間だからなのでしょうか。
それとも私が殊更に、お葬式に強いこだわりを持っているからなのでしょうか。
いずれにせよ
お葬式はこれからも更に、簡略化の傾向を辿っていくのかもしれません。

2010年に発刊された
島田裕巳氏による『葬式は、いらない』(幻冬舎新書)について
多くの葬祭関係者は「NO!」と声をあげました。
私自身も、あの本に書かれていることには否定的です。
しかし、ネットの書評やレビューを見る限り
概ね「是」という評価をもって受け入れられているようです。
・・・つまり
葬儀屋さんと顧客との意識に大きな解離があるということなのかもしれません・・・


それでも、敢えて私は申し上げます。
お葬式の「小規模化」は致し方ありません。
でも
殊更にお葬式を「簡略化」するのは違うと思うのです。
もちろん、人それぞれ価値観は異なります。
実際に簡略化したお葬式を経験したうえで
尚「お葬式は簡略化すればよし」と思われるのなら、それはそれでいい。
でも、やったことのないお葬式に対して
「今はみんなそうしているから」という考えだけで「トレンド」に乗ってしまうことに、私は異を唱えたいと思うところなのです。

ご本人が亡くなられてからお葬式を終えるまで
平均的には3~5日間の時間がかかるでしょう。
この限られた短い時間
可能な限り、亡くなられた方の為に時間と、肉体的・精神的労力を割くことになります。
「この限られた時間をどのように過ごすのか」
つまり
「亡くなってしまった大切な存在と、限られた時間のなかでどのように向き合うのか」
それこそがお葬式の本質なのだと思うのです。

たとえ大切な人を亡くしても
ご本人の遺体から離れれば、頭と意識は他事に向いたりします。
お葬式を簡略化すれば、家族それぞれの「自由な」時間が増えます。
でも
大切な人の存在を強く意識させてくれる遺体は、程なく荼毘に伏されるのです。
私たちは大切な存在だった「遺体」を前にすることで
その人と向き合い、寄り添うことができるのです。
お葬式とは、そういう特別な時間だと思うのです。
たとえば一般的な仏式葬儀で申しますなら
・亡くなられた直後に挙げられる「枕経」に立ち会う
・湯灌に立ち会い、本人の旅立ちの準備をする
・納棺に立ち会い、自らの手で棺に納める
・通夜の際、故人と関わりのあった方々に感謝の言葉を伝える
・葬儀の際、柩の中に眠る故人と最後のお別れをする
これらのプロセスひとつひとつが
故人と向き合うための数少ない機会なのです。

合理主義的に解釈すれば
それらは「無くてもいいプロセス」ということにはなるでしょう。
でも、私は
そこに必ず意味はあると申し上げたいのです。
過分な費用をかける必要はありません。
ただ
あなたの人生のほんの数日間を、亡くなられた方と向き合うために割いてさしあげてもいいのではないでしょうかと思うのです。




by dscorp-japan | 2018-11-17 17:48 | 葬儀 | Comments(2)
Commented by pga2152 at 2018-11-18 13:58
私も、島田裕巳氏に否定的な考えを持っています。東京の葬儀社の社長さんに至っては、生討論で論破している位です。島田氏の本を読むと、何故か睡魔に襲われます。
Commented by dscorp-japan at 2018-11-24 23:04
☀pga2152さん。
なんと申しますか
死生観に対する「人間の思い」みたいなものがやや軽視されているような気がするんですよね・・・
line

これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
line
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