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D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

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冠婚葬祭互助会に関する私見

 
さて。
冠婚葬祭互助会に関するお尋ねがありましたので、私の個人的な見解として申し述べさせていただきます。

冠婚葬祭互助会の何たるかについては、すでにネット上で情報を得ることが出来ると思います。よってその詳細についてはそちらに譲ります。
ただ、それら情報の殆どの発信源は冠婚葬祭互助会サイドからのものです。
つまり互助会の利点は大々的に謳われているのですが、加入者として留意すべき事柄の詳細に触れているサイトはあまり多くないような気もします。


そこでここでは
私が知る限りにおいての、互助会にまつわる誤解を列挙します。

① 互助会の積立金でお葬式のすべての費用が賄えるとは限らない

これがいちばんよくある誤解ではないでしょうか。
互助会加入の契約時に謳われている役務内容には、一般的に認識されるところのお葬式に最低限必要だと思われるものが、ある程度含まれています。ただしあくまでも “ ある程度 ” なのであって、全てではないということです。これはある意味で致し方のないことでして、あるお客様には「当然必要だ」というものが別のお客様には「いや不要だろう」となることがあるんです。
たとえば「棺」は日本のお葬式に不可欠と言っていいでしょう。
一方でたとえばお料理。
お料理の数も、その内容(価格)もお客様それぞれで不確定なものです。
すると、こうしたものは互助会加入時の役務内容には含まれない「オプション」として扱われるわけです。
私の知る限りにおいて、互助会加入に伴って積み立てた金額だけでお葬式が出来ることの方が少ないのではないでしょうか。

ただそれでも、そこの冠婚葬祭互助会に葬儀を依頼するお考えなのであれば、そこの提案する互助会に加入しておいた方がお得であることは間違いありません。


② 互助会に預けたお金に利息がつくわけではない

互助会は金利を目的とした商品ではありません。
金融商品ではないということです。
金融商品であれば金融庁管轄となりましょうが、互助会は経済産業省の指導下で運営されているものです。
ですから互助会は利息がつかない代わり、結婚式やお葬式で利用する際、加入時に約束されたサービス特典が受けられるわけです。そして市場の経済事情や物価の変動等の影響を受けることなく、契約時の役務内容を永久的に保証するわけです。仮に市場の物価が著しく上昇したとしたら、互助会会員が結婚式やお葬式を依頼する際に受ける恩恵は非常に大きいものといえるでしょう。


③ (同一エリアにおいて)互助会の役務内容を受けられるのは、加入した冠婚葬祭互助会からのみである

たとえばデパートなどの商品券ですと、今では全国共通の商品券があります。
しかし私が幼少の頃は(私の記憶が間違っていなければ)「A百貨店の商品券はあくまでもA百貨店でのみ利用できる」といったものだったと記憶します。
互助会もまた、これに準じた考え方だといえると思います。
A互助会で加入した会員の役務内容を、同じエリアで営業するB互助会に要求することは出来ないということです。

ただし「同一エリアにおいて」と書きましたのは・・・
仮に会員が加入した互助会の営業エリア外に転居した場合は、転居先を営業エリアとする互助会に転籍することが出来ます。特に転勤族の方などにとっては、大きな安心と言えると思います。


④ 互助会解約時には解約手数料が発生する

これは「そういうものなのだ」としか申し上げられません。
経済産業省の指導下で作成された標準約款にも「解約手数料」に関する記述があります。
つまり公的に認められている、ということです。
「(解約時には)元本さえも返還されないなんて!」と思われるかもしれませんが、決して法に触れるものではありません。

しかし
だからこそ、互助会への加入時には充分に検討していただきたいということなんですね。


            ♢

さて。
ここで私の個人的な考えを申し述べさせていただきます。

私は「葬儀費用の割引」という考え方自体が好きではないんです。
誰もが避けては通れない性格のものであるお葬式にかかる費用は、出来得る限り万人に等しく公平であるべきだと思っているからです。
互助会が不公平だと言っているのではありません。
事前にお金を積み立てているのだから(そしてそれには金利がつかないのですから)当然、加入者には何らかの恩恵があって然るべきです。ですから互助会は「加入時の契約内容は永久(的)に保証されます」「(契約後の)物価の変動や役務内容の販売単価(たとえば棺の単価など)が上がったとしても、それらは契約時のまま保証します」と謳います。加入者に対するメリットは決して小さいものではありません。ですから、互助会に加入していない人はその恩恵を受けられないというのも「むべなるかな」であります。

これは冠婚葬祭互助会に限った話ではありませんが、一般価格と会員価格を設定する企業の多くは、会員価格を基にした利益率を前提として企業運営するはずです。一般価格を前提とした利益率を見込んでおいて、蓋を開けたら会員価格ばかりだったという企業運営は、経営者として失格でしょう。会員制度を導入する企業である以上、顧客の多くは会員であるという前提に基づいて経営を考えるものです。

ならば一般価格とは・・・?

「それが経済の常識だ」といわれればその通りなのです。
私もまた消費者のひとりです。定価○○円のものを買おうとするときに「会員になれば○%割引ですよ」といわれれば、私だって加入します。そっちの方がお得なんですもの、当たり前です。

ただ私は、この理屈をお葬式にまでは持ち込みたくないなぁというのが本音なのです。

この話をすると「オマエは妙な屁理屈に凝り固まってるんじゃないか」などと揶揄されることもあります。
「いいじゃないか、互助会側と会員側がお互いに “ Win-Win ” の関係になるんだから」
それはその通りです。
でも、ならば未加入の方が一般価格でお葬式をしなければならないのは自己責任なのか。
「そりゃそうなるでしょ」
はい。たしかに。
そうなのでしょうけれど・・・

「お客様は事前に互助会にご加入いただいていたので会員価格が適用できます」
「申し訳ありませんが、お客様は会員様でいらっしゃいませんので価格はこちらになります」

私自身
以前在籍していた冠婚葬祭互助会で、お客様にこういった説明をしていたんです。
会員様に対する説明はいい。
事前に互助会に加入されていらっしゃらなかったお客様に説明をするときって・・・ちょっとイヤだったんですよね。
何度も申しますが、これはもちろんお客様に対する差別などではありません。
でも、他ならぬ「お葬式」です。
誰もがそれぞれ、出来る限りのことをしてあげたいと思う「お葬式」なんです。

「一般価格とか会員価格とかいわず
みんな一律、それぞれの葬儀屋さんが考える適正な統一した価格で提示すればいいじゃないか」
というのが私の気持ちなんですね・・・


・・・やっぱり私はひねくれてるのかなぁ・・・(><)







by dscorp-japan | 2014-07-26 19:13 | 葬儀 | Comments(0)
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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