『骨を拾う』
少し前ですが
私がお手伝いさせていただいたお客様から、こんなご質問をいただきました。
「すごく根本的なことをお尋ねするようですが
故人の骨を拾うのって、私たち遺族がしなければならないことなんでしょうか?」
・・・仰る通り、ものすごく根本的なこと、ですよね・・・
こういうご質問って、けっこうお答えするのに窮するところではあります(汗)
♢
さて。
『骨を拾う』という言葉には、ふたつの意味がありますよね。
ひとつは文字通り
「ご遺骨を拾い納める」という意味。
そしてもうひとつが
「死後の面倒をみる」
から転じて
「(相手の)後始末をする」というもの。
「後のことは気にせず、精一杯のことをしろ」という意味で用いられる言葉ですね。
くだけた言い方をすれば
「オマエのケツは持ってやるから」みたいな意味ですね。
私たち日本人にとって「骨を拾う」ということは
ひとつの「ケジメ」のような意味として認識されているのかもしれませんね。
「骨を拾う」という行為を以て
故人様の葬り~弔いを完遂する、という認識。
「いや、分かってるんですよ。
基本的に日本は火葬国ですから、誰かが遺骨を拾わなければならないってことは。
ただ
私たち当事者にとって、故人の遺骨を目の当たりにすることはショックが強すぎるんです・・・」
それは重々心得ております。
私自身も、身内の遺骨を拾った経験があります。
あれはやはり、少なからずショックを受ける場面ではあります。
また一方で
特にウチの場合はキリスト教葬儀に特化した葬儀屋さんであるため、外国籍の方々のお葬式をお手伝いさせていただくケースが少なくありません。
そうした方々から、幾度となくお聞きしました。
「あんな場面は見たくない!」
♢
(他の葬儀社さんもされていることと思いますが)
そうしたご遺族からのご要望があれば(そしてご信頼をいただいたうえでのご承諾があれば)
斎場案内係が、拾骨の代行をさせていただくことがあります。
ご遺族様方々には火葬場の待合室でお待ちいただき
私どもから派遣した斎場案内係がご遺族様になり代わって故人様のご遺骨をお骨壷に納め
お骨壺をご遺族様に手渡しさせていただきます。
ただまァ
故人様ご本人にしてみれば、やはりご遺族様の手で収骨されることを望まれるのではないかと思います。
収骨に限らず
たとえば故人様のご遺体をお布団などにご安置するとき
故人様をご納棺されるとき
ご葬儀のご出棺時、霊柩車へお棺をお連れするとき
故人様と関わりのあった方々の手による方が、ご本人も喜ばれるのではないでしょうか。