映画 『お墓に泊まろう!』
2010年公開
『2011年、テレビ東京が倒産した―。
そして・・・テレビ東京は葬儀屋に買収された・・・』
こんなコピーを見せられりゃ~観ないわけにはいきません(笑)
テレビ東京さんと吉本興業さんが制作された映画。
テレビ番組のことはあまりよく知りませんが
題名からしてテレビ東京さんが実際に放映している(いた?)『田舎に泊まろう!』という番組を自らパロッたようです。
地デジ完全移行の2011年。
テレビ東京が倒産して、葬儀社がこれを買収したという設定です。
番組放映枠は一日わずか3時間。
葬儀社に買収されたため、局内には何故か「葬儀部」が・・・(笑)
多くの社員は去り、僅かに残った社員はお葬式現場のお手伝いに駆り出される始末。
そんななか
元テレビ東京社長が亡くなります。
亡くなった島田元社長は遺言を遺していました。
「オレの葬儀は世界で一番くだらないものにして欲しい。制作局頼んだぞ!」
遺言を受けて
テレビ東京制作局は、島田元社長の葬儀をこの上なくくだらなく演出して
これを自局で生番組として放映することになります・・・
この映画の主役である、制作局のさえないスタッフ・伊藤隆行(河本準一さん)は
実際にテレビ東京に在籍されていらっしゃるプロデューサーなんだそうです。
しかもこの映画のメガホンをとっていらっしゃるご本人(驚)
映画では亡くなられてしまう島田元社長は
実勢には現社長としてテレビ東京の舵を取っていらっしゃるそうです・・・
「テレビ東京が倒産する」という設定はなかなかに秀逸だと思いました。
しかしこれを葬儀屋が買収というのは・・・???
・・・やっぱり
この葬祭業って、外から見れば儲かってしょうがない業界だと思われてるのかなァ~
逆にこの業界にいる人間なら、そんなことをする葬儀社なんてまず無いってことが分かるんですがネ・・・(汗)
それでも
テレビ局を配下につける葬儀社って、考えようによっては面白いのかもしれないな~と思ってこの映画を観たんです。
しかしながら。
・・・う~ん・・・
お葬式のタブーに挑戦したのであろう “くだらないお葬式” は
私たち葬儀屋さんから見れば、実はそれほどくだらなくもなかったという・・・(汗)
少なくとも私は、それほど笑えませんでした。
いや
葬儀屋さんとしての倫理観や常識が邪魔したんじゃなくて
“狙った” 笑いのあざとさが見えてしまったから。
「作られた笑い」や「狙った笑い」って
お葬式の現場に限っていえば、まず通用しないと思うんです。
着眼点は良かったのかもしれないけど・・・
もっとお葬式現場のリサーチをすれば、全く別の観点から「笑い」を拾うことが出来たような気がします・・・