『エクソシスト』を知りたいなら
私の知る限り
ここ日本において、エクソシスト(=悪魔祓い師)の需要は皆無と言っていいのではないでしょうか。
(ここで言うエクソシストとは、キリスト教的儀礼による悪魔祓い師を指します)
そもそも
キリスト教自体が、日本ではマイノリティであります。
何か超自然的な、不可思議な出来事があったとしても、私たち日本人はそれらの事象をキリスト教と結び付けて考えることは非常に少ないはず(クリスチャンでさえも、です)。
それらは単なる偶然の産物だったり
誰かしらによる超能力だったり
或いは、いわゆる幽霊の仕業だったり
普通はそんな風に考えますよね。
少なくとも
私たちの脳裏に『悪魔』というキーワードは、まず浮かんでは来ません。
「つまりは、そもそも悪魔なんていないんじゃないの?」
「エクソシストなんて、ただのマヤカシなんじゃないの?」
・・・至極まっとうな考え方だと思います。
私だって
どう見ても悪魔に取り憑かれた人なんて、お会いしたことありませんし。
ということで
私ごときが皆さんに「悪魔の存在を信じなさい」なんてことを申すつもりはございません。
普通に考えても
「信じない」と判断する方が賢明なんだろう、とは思います。
さて。
そのうえでも尚、エクソシストに興味のお有りの方がいらっしゃるのなら、以下の三冊の本をおススメいたします。
島村菜津:著 小学館
トレイシー・ウィルキンソン:著 文芸春秋
ガブリエル・アモース:著 エンデルレ書店
一冊目の『エクソシストとの対話』は
ノンフィクション・ライターの島村菜津さんが書かれました。
この本は『21世紀国際ノンフィクション大賞(現:小学館ノンフィクション大賞)の優秀賞を受賞されました。
島村さんはイタリアでの膨大な取材を敢行され
実際の悪魔祓いの現場にも立ち会ったうえで、彼女なりの見解を示されています。
非常に冷静に、そして日本人的バランス感覚で、エクソシストの何たるかを解釈されています。
二冊目の『バチカン・エクソシスト』もまた、ジャーナリストによる著作です。
『LAタイムズ ローマ支局長』(出版時)であるトレイシー・ウィルキンソンさんも、実際にエクソシストへの取材を重ねたうえで、エクソシストの歴史から現代におけるエクソシストたちの活動などを分かりやすく書かれています。
そして三冊目。
著者でありカトリック司祭でもあるガブリエル・アモース神父様は、何とご本人がエクソシスト(!)
ローマ法王庁法王大使からの推薦文まで掲載されているのですから、どうやらホンモノらしいです。
本書の場合
もう、悪魔の存在の真偽なんて議論はすっ飛ばされていて(笑)
はじめから、当然のように「悪魔はいる!」というスタンスで書かれています・・・
・・・ひぇ~(怖)
故に三冊目におススメしたんですけどね・・・
とにかく
悪魔がいるかどうかなんて、私たちには知る由もありません。
ただ
前教皇・ヨハネ・パウロ二世御自身がその在任中に3度のエクソシズムを行ったというお話がある以上
少なくとも、エクソシストそのものの存在は否定できるものではない、ということなのでしょうね・・・