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D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

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聖母マリアへの祈り(アヴェ・マリアの祈り)の改訂について

今日こそは『完全オフ』と決めてかかって
日中は家のお掃除(年末が多忙のため出来なかったので)。
夕方から、ちょいとパチンコなんぞに行ってみようかと(笑)思案しておりますと
西経一神父様からの電話が・・・(汗)

「お~い!
オレ、今日は修道院の食事が無いんだよぉ。
大切にすべき 『神父 “様”』 が飢えてるのをオマエは見過ごせるのか?」

何ちゅうモノの頼み方じゃ・・・

聞けば
今日は西神父様がお世話している、地域の老人の皆さんの新年会だったそうです。

「入院中の爺ちゃん婆ちゃんをお見舞いしてナ
その後はお年寄りの集まりの新年会ヨ。
新年早々、オレって働いてると思わない?」

そりゃご苦労様なこってすわ・・・

ということで
例によって例のごとく
魚の食べられる居酒屋へ。

            ♢

さて。
今日、彼と話したのは『聖母マリアへの祈り』の改訂について、です。

(今日は少々カトリック世界のお話になります)

『聖母マリアへの祈り』
つまり『天使祝詞』と言いますね。
カトリック信徒にとって、とても大切な祈りのひとつです。

古くはラテン語の祈りでした・・・①
            ↓
Ave Maria, gratia plena,
Dominus tecum,
benedicta tu in mulieribus,
et benedictus fructus ventris tui Jesus.
Sancta Maria mater Dei,
ora pro nobis peccatoribus,
nunc, et in hora mortis nostrae.


それが日本語訳の祈りに変わったのがこれ・・・②
            ↓
めでたし聖寵満ち満てるマリア
主御身とともにまします
御身は女のうちにて祝せられ
ご胎内の御子イエスも祝せられたもう
天主の御母聖マリア
罪人なるわれらのために
今も臨終の時も祈りたまえ
アーメン



これが改訂されて、今の祈りがこれ・・・③
            ↓
恵みあふれる聖マリア
主はあなたとともにおられます
主はあなたを選び祝福し
あなたの子イエスも祝福されました
神の母聖マリア
罪深いわたしたちのために
今も死を迎える時も祈ってください
アーメン


そしてそして
今回、2010年10月8日の特別臨時司教総会において
これを『アヴェ・マリアの祈り』として改訂する、という・・・④
            ↓
アヴェ・マリア、惠みに満ちた方
主はあなたと共におられます
あなたは女のうちで祝福され
ご胎内の御子イエスも祝福されています
神の母聖マリア
罪深いわたしたちのために
今も死を迎える時ときも祈ってください
アーメン



今回の改訂について、私は大反対の立場です。
本来『祈り』というものは
それを唱える人間の救いとなるべきものであって
困ったとき
助けて欲しいとき
自然と口に出てくるようなものであるべきだと思います。
つまり
その祈りの言葉自体が、身体に染みついて然るべきものかと。

現在、カトリック教会で使用されているのは③ですが
自分個人で祈るときは、いまだに②を使います。
何故なら
それが私の身体に染みついているから。

「だァろォ~?
そうなんだよ、祈りの言葉というのはそうそう簡単に変えちゃイカンのだわ」

私もまったく同感!
祈りにしろ
たとえばお経にしろ
コロコロと変わるのってどうかと思う。

たとえば子どもたちに対する信仰教育。
子どもたちは
神父様や教会学校の先生から教わった祈りを一生懸命暗記して
それを何度も何度も口にして
唱え続ける過程で、その意味を少しずつ学んでいくものです。
そしてそれは
大人である私たちにとっても同じこと。
祈りは
祈り続けられていく過程において、より深い祈りとなっていくものだと思うんです。

私は聖書学者でもなければ、典礼の専門家でもありません。
より相応しい言葉があるのなら、それが刷新されていくことは必要なことでしょう。
でも
だったら何故、前回の改訂の際に充分な吟味・審議がなされなかったのか。
今、20代の若い世代の信徒にしてみれば
もうこれで二度の改訂を経験するということになるんです・・・

極端な解釈をするのであれば
(じゃ、今までの祈りは間違っていたの?)
ということにもなりかねない。

「オレたちの世代以前の人間にしてみれば
ミサ自体がラテン語だったわけよ。
唱えられる言葉のひとつひとつの意味までは分からなかったもんよ。
でも、その本質はちゃんと理解していたぞ。
それこそ、中卒のオレの親父だってな!」


色んなご意見はあると思います。
祈りの言葉の刷新にも、意味がないとは申しません。
しかし
少なくとも今回の改訂の、意味と意義が分かりにくい。
その必要性が分からない。

この
『聖母マリアへの祈り』の改訂については
カトリック中央協議会が、皆様のご意見を受け付けています。
            ↓
       『カトリック中央協議会HP』

ご意見のある方は、是非!
(私も出そうと思っています)
by dscorp-japan | 2011-01-03 00:15 | キリスト教 | Comments(8)
Commented by 猫耳公爵 at 2011-01-03 12:40 x
③は要理教育のときの解説に困るようですね。
新しいのはめんどくさいし、語感も悪いので②を使うことにしました。
Commented by dscorp-japan at 2011-01-04 00:25
☀猫耳公爵さん。
ご来訪&コメントを有り難うございます。
結局、②の文語体の祈りを③の口語体に改訂したことが、そもそもの失敗だったような気が・・・
私も、②がいちばん馴染みがあります。
Commented at 2011-01-04 01:04 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by dscorp-japan at 2011-01-04 02:21
☀ちかさん。
立ち返らなければならないのは、ラテン語典礼の原文だと思います。
ラテン語の"Ave Maria"の部分を最も適切に翻訳出来ているのは
実は②の「めでたし~」であると言われています。
③の訳は、ラテン語のニュアンスから少しだけ離れてしまっている、と。
そこで、今回の改訂では敢えて翻訳せずに「アヴェ・マリア~」と読ませているのかと思われます。
"Ave" とは
「幸せな人だなぁ~」
「ラッキーな人だなァ~」という、感嘆を表す言葉なのだそうです。
分かりやすい日本語で、多くの人に理解してもらうことは大切ですね。
ただ
分かりやすくて正しい訳となると、なかなか良い単語が見つからないのでしょうね・・・

貴重なご意見を有り難うございました m(_ _)m
Commented by gipsyyoukoking at 2011-02-26 16:57 x
私も信者です。フレディ様のページからきました。めでたしでいいと思うのです。このことについてもの凄く頭にきてます。私は大阪教区和歌山海南です。
Commented by dscorp-japan at 2011-02-26 20:11
☀gipsyyoukokingさん。
ご来訪いただき、また貴重なご意見を有難うございました。

結局
翻訳すると言いながら『Ave Maria』は訳していない。
このことが如実に語っていると思います。
「完全な翻訳など出来ないのだ」ということです。
ならば全文ラテン語のままで良いわけですよね。
祈りの本質や意味は
信徒たちが年月を経て、少しずつ学んでいけばいいことだと思うんです。
・・・最近の日本のカトリック教会
なァンか落ち着きがないですよね・・・
Commented by アシジ at 2020-04-13 12:05 x
今更失礼いたします。
最近は、祈りにしろ教会での過ごし方にしろ、カトリック性が著しく損なわれていると思っております。
私は、主の祈りは天にまします、
天使祝詞は、めでたし で!続けます。
Commented by dscorp-japan at 2020-05-01 01:12
☀アシジさん。
ご来訪&コメントを有難うございます m(_ _)m

私も古い人間だからなのか、今でも「天にまします」と「めでたし」であります。
「教会の刷新」ももちろん大切でしょう。
でも
脈々と受け継がれてきた歴史と伝統の裏にある「真理」は失いたくないものですよね。

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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


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