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『プリズン・トリック』 遠藤武文

『プリズン・トリック』 遠藤武文_a0153243_016188.gif


第55回江戸川乱歩賞受賞作。
帯にも書かれていますね。

「乱歩史上最高のトリックだ」・・・選考委員・東野圭吾氏

さらに宣伝文句には

『刑務所内での密室殺人。
社会派でありながら超本格。
読み落としていい個所はラスト一行までどこにもない。
あなたは絶対に鉄壁のトリックを見破れない。
そして必ず、二度読む。』


・・・これだけ読者を煽るということは、それだけハードルを高くしてるわけでして(汗)
余程自信があるんでしょうね(無論、作者ではなくて出版元が、でしょうが)。

作者の遠藤武文さん
何とこの作品が長編処女作だそうです。
で、いきなり乱歩賞受賞。

ひょえ~(驚)

去年からずっと読もうと思っていて、早々に本は買ってありました。
で、ようやく読み終わったという(今更遅いか?)

この作品の内容説明って、けっこう難しいです。
登場人物が多いし
何やら“サイド・ストーリー” 的なお話もいくつかあったり
結構“てんこ盛り” なんです・・・

交通刑務所で起こった密室殺人。
殺されたのも、殺したのも、どうやら受刑者。
死体の顔と手(指紋)には濃硫酸がかけられていて、顔の判別が出来ません。
つまり、当初は遺体の衣服から被害者を特定するしかなかったということですね。
一方の加害者と思しき受刑者は逃走。
刑務官たちは必死に逃亡者を追いますが
どうやら刑務官たち、被害者と加害者双方の誤認が分かってきます。
つまり
被害者と加害者は逆だった、と。

さて
ここからお話がどんどん広がっていき、最後には“どんでん返し” が・・・



まず
この本のタイトル『プリズン・トリック』。
これはどうも、いただけないような気がします。
どう考えても、米国連続テレビドラマの“あれ” を連想してしまいます(汗)
作品の応募当初の題名は『三十九条の過失』だったそうですが
とにかく私には、タイトルが安っぽく感じられて仕方ありませんです。


読んでみての感想ですが
少なくとも「必ず二度読む」までには至りませんでした。
いや
個人的にはとても楽しく読ませていただきましたよ。
でも
「必ず二度読みたくなる」“代表” の
『プリズン・トリック』 遠藤武文_a0153243_0415869.jpg

                                 『イニシエーション・ラブ』
・・・ほどでもないかと。

フー・ダニット
ホワイ・ダニット
のカラクリはとてもよく考えられたもので
(よくもまァこんなことを考えつくもんだ)と感心するのですがね。

正直、読んでいて疲れちゃいました(笑)
登場人物が多くて、しかもその名前が微妙に似ていたりして
(おいおい、コイツは誰だったっけ?)と、度々“巻き戻し” です。
・・・そういう意味では“二度読み” どころか三度、四度とページを戻しました(汗)

ミステリー作品としては、間違いなく“へヴィー級” でしょう。
読み応えもあると思います。
でも
少々“詰め込み過ぎ” のような印象を受けました。
もう少しブラッシュアップしたら、お話のテンポも良くなるような気がします。

そう
こういう作品こそ映像化すればいいのに。
そしたら削るべきところを削って、主題が明確に浮き立つと思うんだけどなァ。


しかし
第二作『トリック・シアター』も、どうやら面白そう、ではあります♪
『プリズン・トリック』の“彼” が再登場するようですし・・・
by dscorp-japan | 2010-09-24 00:56 | | Comments(0)
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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