人気ブログランキング | 話題のタグを見る

D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

dscorp.exblog.jp Top

『廃墟に乞う』 佐々木譲

ここのところ、佐々木譲さんの作品ばっかし(汗)

私は佐々木さんの熱烈なファンというわけではありませんが、この作品は直木賞受賞作ということなので・・・。

『廃墟に乞う』 佐々木譲_a0153243_9433188.jpg



ある事件で遭遇した出来事によって心を病んでしまった仙道刑事。
休職を命じられて心のリハビリに専心するなか、様々な事件の関係者から、何故か彼に真相を究明して欲しいという依頼が舞い込みます。
もちろん仙道刑事は休職中ですから、表立った捜査に加わることは出来ません。
“非番の刑事”という立場で、事件の関係者から話を聞いて回ります。
そこから浮かび上がる、事件の裏に見え隠れする事情とは・・・

っていう感じのお話です。

小作品の連作という形をとった本。
横山秀夫さん(『半落ち』『クライマーズ・ハイ』)の作品によくあるパターンですよね・・・

ストーリーとしてのインパクトは、実はそれほどでもないな~という印象です。
もちろんそれぞれのお話は面白いのですが、“この手”の手法だけで言えば、やはり横山秀夫さんの方が個人的には好みです。

ただ
舞台となっている北海道辺境地域などの寒々とした情景描写が、主人公である仙道刑事の孤独な心象と巧みにリンクしていて、その空気感がこちらにもひしひしと伝わってきます。
例えるなら
北海道を舞台とした西部劇の現代版、とでも言いましょうか・・・

この本を読んでい思い浮かべたのは
クリント・イーストウッド監督の映画・『許されざる者』です。
そして私の大好きな映画『暗黒街の二人』。

あれらの映画もまた、風景描写と登場人物の心象とが絶妙にシンクロしていました。

「面白かったなァ」という感想というより
「上手いなァ」という感想、でした♪
by dscorp-japan | 2010-08-17 10:10 | | Comments(0)
line

これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31