外国人のお葬式から学ぶこと
ブラジルやペルーをはじめとした南米の方
フィリピンをはじめとした東南アジアの方
もちろん欧米諸国の方のお葬式もあります。
こうした外国籍の方々のお葬式って、やはり日本人のお葬式の感覚とは少々異なります。
基本的に、お葬式は遺影写真と御棺があればそれでOK。
(無論、霊柩車とかお骨瓶とか要りますけど)
受付・・・?
要りません。
会葬者への返礼品・・・?
要りません。
そして祭壇に飾る(或いは故人に手向ける)「お花」も・・・殆ど要りません。
要はこういうことです。
参列された方々は受付など通らず、故人様や御遺族と対面して弔慰を表します(ハグしたり、言葉をかけたり)。
そして
会葬者それぞれが花束なんかを持ってこられて、めいめいがお棺の傍に手向けるわけです。
だからお花はそれほど必要ないんですね。
そりゃ、少しは御遺族としてお花を飾られるものもありますが、会葬者の皆さんからいただいた花束などで、御棺の上や周りは、結構お花でいっぱいになったりするんです。
こういうお葬式の時
私たち葬儀屋さんは思います。
「これこそが本来の『献花』なんだなぁ」って。
日本人のお葬式で献花を行う場合
献花用のお花は、施主(葬儀を出される方)が葬儀屋さんに依頼する形で用意します。
参列者は、施主が用意したお花を“借りる”形で献花を行います。
献花のお花を、会葬者が用意せずに施主が負担するわけです。
・・・考えてみると、ちょっとおかしいですよね・・・
だから日本には
『御香典』とか『献花料』とかがあるわけです。
特に『献花料』の場合、そのおカネは施主が負担したお花代を“お支払い”するという意味でもあるわけです。
つまり(これは以前にも申し上げましたが)
『献花料』に対して“お返し”をする必要は全くないわけなんです・・・
外国籍の方々のお葬式でも、時折金銭の収受が行われます。
しかしこれは、完全に「お葬式費用の足しにしてください」という意味合い。
参列者全員で、故人様のお葬式費用を負担しようという趣旨です。
日本には日本のお葬式のやり方というものがあるので、これを変えるということは非常に難しいこと。
しかし
少し考えてみると、日本のお葬式で行われている慣習には少々おかしなことってあるんですよ・・・
北海道の炭鉱で育ったのですが、葬儀は違ったような
そんな気がします。
地域や時代や環境で変わってきたのでしょうか?
児に生まれて子に帰ると祖母に教わりました。
悲しむのではなく感謝の場だと・・・・
この言葉は今でも忘れることがありません。
どれが良いのかはわかりませんが・・・・
仰る通り、同じ日本でも地域によって大きく異なります(北海道のお葬式は比較的シンプルなようです)。
そして、昔からこうだったわけではありません。
「合理性」というキーワードのもと、お葬式もどんどん変わってきました(セレモニーホールが良い例です)。
私が言いたいのは
「花を手向ける」という、根源的な行為(これは紀元前から行われていたことが分かっています)の本質を忘れてはいけないということです。
『児に生まれて子に帰る』
『悲しむのではなく感謝の場』
とっても良いお言葉ですね。
お勉強させていただきました m(_ _)m