北林谷栄さん、逝く。
北林さんと言えば、私が物心ついた頃からすでに『おばあちゃん』役が多かった。
そりゃ~亡くなられた御歳が満98歳、数えで100歳ですものね。
この方の演技を拝見しておりますと、ほんッとに安心感があります。
演技自体の安定感もさることながら、北林さんご自身のお人柄もあるのではないでしょうか・・・
北林さんご出演の映画で個人的に思い浮かぶのは・・・
(1990年公開)
この映画、邦画史上においても大傑作だと思うんですよ。
勿論原作の素晴らしさもあります(天藤 真さん原作・創元推理文庫より出版)。
しかしこの素晴らしいお話に息吹を注いでいたのは、間違いなく北林さんでした。
この映画をご覧になった方なら分かります。
仮に北林さんの演じる「和歌山の山林地主・柳川とし子」の役に、他のベテラン女優さんを“空想キャスティング”してみて下さい。
・・・いないんです、他に誰も。
それほど“ハマり役”というか、唯一無二。
この年の日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞受賞は当然です!
・・・本当に惜しい方を亡くしました。
心よりご冥福をお祈りいたします。