通夜って何だ?
カトリックだと『通夜』
プロテスタント諸教会だと『前夜式』
聖公会だと『通夜の祈り』といいます。
そもそも『通夜』ってなんでしょう?
お葬式が発生すると、当たり前のように通夜が行われます(日本でも一部地域では通夜を行わないところもありますが)。
一般的な「通夜」の認識は
『大切な誰かが亡くなった時、それを悲しむ関係者(ご遺族様など)が故人のために夜通し祈る』というものです。
仏教だと
『釈迦が入滅(亡くなる)したのを受け、それを悲しんだ弟子たちが夜通しご遺体を見守りながら説法をした』という故事に由来しますね。
こういったお話はどの宗教でもありまして
つまりこれは人間の自然な営みといえましょう。
対して、現代の『通夜』の認識は少々意味合いが異なります。
故人と所縁のある関係者でも、それぞれのお仕事などの関係から日中行われるお葬式に参列することが難しいことから、前日の夕刻に通夜を行うことでこれに参列していただくという意味合いが強くなっています。
事実、通夜参列者と葬儀参列者の人数を比較すると、殆どの場合が通夜の参列者の方が多くなる傾向にあります。
さて
はたして『通夜』はやらなければならないのでしょうか?
最近の事情でいいますと
『通夜』を行わないで葬儀だけを行うというお客様が増えてきました。
特に家族葬の形態を採る方など、親族以外の参列を控えてもらうわけですから、敢えて通夜を行う必要はないだろうと考えられるようになってきたわけです。
或いは一般の参列者をお招きする葬儀であっても「お葬式に来られる方だけお越しいただければ良い」と考える方などは、通夜を行わないという選択をされる場合があります。
『通夜』の本質的な意味は
ご遺族やご親族が、故人と最後の夜を共に過ごすことで、故人との私的な語らいの場、祈りの機会と考えられることも出来ます。
ならば
通夜というのは本来、ご遺族ご親族のためのプライベートな時間ともいえましょう。
通夜を行わないから故人を大切にしていない
通夜を行わないのは面倒だから
そういう判断は間違いです。
「大切な方との残り少ない時間を大切にしたい」
そういった思いがあるのだということも、周りの人間は理解して差し上げるべきではないでしょうか。