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カテゴリ:映画・テレビ( 159 )

映画 『 沈黙 -Silence 』

 
先ほどレイトショーで鑑賞してきました。
あまりにも鑑賞後の余韻が強くて
この記事を書いている今も、心の動揺が収まりません。

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(映画の詳細については公式HPをご覧ください)


私が遠藤周作の『沈黙』を読んだのは、たしか大学生の頃だったと記憶します。
特に遠藤周作の作品が好きだったということではなく
あえて申しますなら、私は遠周の『狐狸庵先生』としての作品である『ぐうたらシリーズ』の方が好きだったりしました。
あと私が好きだった、真面目な遠周の作品としては
『私にとって神とは』くらいでした。
逆に申しますなら、それほど読んでいないということです ^^;
本作を手にしたのは
たまたま当時の私の家に、父が持っていた古い原作本があったからです。

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今も手元にあります


・・・読んだ時期が早すぎたのでしょうか
もちろん大いに考えさせられたのですが、今回映画を観て抱いた衝撃的な思いまでには至らなかったように記憶します・・・

            ♢

まずは本作の監督であるマーティン・スコセッシ氏について。
ロバート・デ・ニーロの出世作である『 タクシー・ドライバー 』の監督として有名ですね。
私がスコセッシ監督の作品で好きなのは『 グッドフェローズ 』だったりします。
監督は、その幼少期にはカトリック司祭になることを目指していたという、本来的には筋金入りののカトリック信者という方です。
しかしながら一方で
公開当時、キリスト教の世界では大いに物議を醸した『 最後の誘惑 』を撮った監督でもあります。

何故
敢えてまずは監督について言及したのかと申しますと・・・
今回の本作を、イタリア系アメリカ人であるスコセッシ氏が監督したとは到底思えなかったからです。
「本作は日本人の監督によるもの」と言われれば、おそらく日本人の誰もが違和感なく受け入れたのではないでしょうか。
つまりそれほどまでに
17世紀の日本が、一抹の違和感もなく描かれていると感じられるのです。
もちろん私は17世紀の日本を知るわけではありません。
しかし
単に日本人俳優の出演が多くを占めるからということではなく、当時の日本、特に長崎エリアの状況を相当高いレベルで再現していると感じざるを得ないものでした。

            ♢

さて、本作の内容について。

私は原作を読んでから数十年経つので、あらすじの詳細はうろ覚えだったのですが
それでも(泣くかもしれない、でも泣くまい)と映画に臨みました。
しかしながら
私の薄っぺらな誓いは、映画の序盤で脆くも崩れ去ってしまいました・・・

イエズス会宣教師のロドリゴ神父とガルペ神父が長崎に降り立ち
隠れキリシタンたちからすがるように歓迎された描写だけで、もうウルウルでした。

私が本作の登場人物のなかで特に注目したのは、やはり二人のイエズス会司祭を日本に案内するキチジロー(窪塚洋介さん)です。
心弱きキリシタンであるキチジローが、聖書でいうところのイスカリオテのユダに比肩される存在として描かれているであろうことは異論の余地のないところだと思います。
ただ、ユダとキチジローの違いは
ユダは自らの裏切りによって自分に絶望し命を落としますが、キチジローは何度周りの人間を裏切っても、神の救いと赦しを諦めないという点です。
それは人間的な尺度で考えれば「厚顔無恥」ということになるのでしょう。
しかし冷静に考えてみると
私たちは皆、大なり小なりキチジローと同じなのではないかという点に気付かされます。

劇中、キチジローが語ります。
「(キリスト教の)禁教令が出される前だったら
自分だって佳きキリシタンとして死ぬことが出来たのに。
自分は何て不運なんだ」

(自分がキチジローと同じ時代に同じ立場だったとしたら)
そう考えたとき
はたして私たちは「厚顔無恥な」キチジローとは別の生き方を全うすることができたのでしょうか・・・

特に私は
周りの人たちを裏切りながら
それこそイエズスを裏切ったユダのように、イエズス会宣教師のロドリゴ神父を藩に「売って」おきながら
「どうか私の告解(今で言う『赦しの秘跡』)を聴いて下さい」と
裏切った相手であるロドリゴ神父の足元にひれ伏すキチジローに、大いに心を動かされました。

この上なく醜く憐れなキチジローは、まぎれもなく「私たち」なのだと。
そして「神の子キリスト」は
キチジローと同じである私たちを赦すために、この世に遣わされたのだと。

            ♢

ここでは特にキチジローに焦点をあてて書きましたが
もちろんキチジロー以外の人物の苦悩や葛藤にも、大いに観るべきところがあります。
端的に申しますなら
すべての登場人物の考え方や言動が、大いに考えさせられるものです。
神の目から見て、誰が正しいのかは分からない。
でもおそらく、誰ひとり悪いわけでもないのかもしれない。


・・・こうして書いていても
私の感じた思いがうまく表現できていないように思います。
私自身、本作のすべてを理解できていないような気もいたします。
そういう意味で
私はもう一度(或いは何度も)本作を観るべきかもしれません。
ですから
本作のDVDが発売された時には間違いなく、買います。


「お勧め」などという軽い表現は、本作には物足りないと思います。
間違いなく、観る価値のある映画です。
私の鑑賞後の感想は
(観て良かった)ではなく(観るべき映画だ)でしたから。





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by dscorp-japan | 2017-01-25 02:12 | 映画・テレビ | Comments(8)

映画 『 聖獣学園 』の話

 
・・・え~っと、最初に言い訳を ^^;
本作は決してR18(成人映画)ではないそうです。
あくまでも『エロティック・サスペンス映画』というくくり、だそうです。

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1974年公開



今回、何故この映画を取り上げるのか。


私が本作を知った(というか観た)のは、たしか高校生の頃。
さすがに少々記憶が曖昧なのですが
当時は(多くのティーンエイジャーがそうであるように)スケベモード全開の高校生でしたから(恥)当時の自宅からほど近い、名古屋市千種区の繁華街「今池」にあった『今池地下』という映画館(今もあるみたいです!)に行って観たんです。

この映画館、要はポルノ映画館でして(映画館の名前からして『地下』ですから)
毎日、一本のポルノ映画を延々映写し続けていて
たしか入場料が当時350円だったと思います。
当然「18禁」だったのですが・・・
そこはそれ「ルールはあって無きが如し」とでも申しましょうか (^^ゞ

はやる心を抑えつつ
今池ビルの地下にある怪しげな切符売り場で大人の振りしておカネを払い
(絶対バレてますわな)
背徳感に後ろ髪を引かれる思いを振り払って劇場の扉を開くと・・・

そこで上映されていたのが本作だったのでした。

正直なところ
多岐川裕美さんが好きだったとか、修道院モノが好きだったとか
そんなのは全くありませんでしたよ、ハイ。
上映映画の前情報など一切無しで
ただただ「エッチな映画が観たい!」その一念のみ (^^ゞ


・・・ところで
私はこんな話、ここでしてて良いんでしょうか・・・?

まあいいや(良いのか!?)


舞台はとあるカトリック女子修道院(当然、架空の)。
その修道院に
主人公(多岐川さん)は、ある謎を解き明かすべく単身修道院に修練女として潜入します。
するとそこは
乱れ切った性が横行する、エロ修道院だった(苦笑)
そしてこの修道院を実質的に支配するのが、悪の大司教様だったのだァ~(爆)

・・・という、何とも陳腐なストーリー。
(でも海外ではこの映画、カルト映画として人気があるらしいデス)

            ♢

さて!
ここからが本題なのです!

血走る目を皿のようにしてスクリーンに見入っていた私ですが
ある場面で(あれ?)と思ったんです。

(この修道院の外観って、T修道院じゃない?)

そしてさらに。
悪の大司教様の住まう教会が映るんですが・・・

(・・・オイこれ、ウチの教会じゃねェか?)


・・・エロモードだった私、一気に興ざめです。

もちろん確証はありませんでした。
似たような教会は他にもあるだろうし
第一、こんな映画に教会が撮影許可を出すはずがないでしょうから。

いずれにしても
その後の私は、スクリーンに映る多岐川さんの裸体も上の空。
結局、その後は映画に集中することが出来ないまま終わってしまったんですね・・・


その後35年以上にわたり
私はずっとずっと、この映画に対する疑問がくすぶっていたんです。
(あの映画のあの場面、オレの見間違いだったのかなぁ)

            ♢

時は流れて、去年の暮れ。
私がAmazonさんでお買い物をするのは、専ら音楽CDと映画DVDです。
で、映画のジャンルですと
どうしてもキリスト教に関連した作品も含まれるわけです。

・・・そしたら何とAmazonさん
「あなたへのおすすめ」として、この映画を推薦してきやがったんです(笑)

本作を「キリスト教モノ」「教会関連モノ」とカテゴライズするAmazonさんに爆笑したんですが・・・
(いや待てよ?
例の積年の疑問を解消するには、この映画を買って確かめるしかないだろ!)

・・・ということで。
買いましたよ『聖獣学園』。
2800円くらい払って (←アホ)


・・・しかしてその結果は。

(映画の著作権とかあるから画像は載せませんけど)


撮影許可したんかァ~い!!!

いや
きっと、間違いなく無許可のはず。

アングルの位置からして
まずT修道院は、どう考えても修道院の敷地内から撮影してる!
(T修道院敷地内は広大でして、誰でも入れます)
そんでもってウチの教会は
当時、教会南側の道を挟んだところにあったホテルから撮影してるに間違いない!


・・・こういうときにこそ使う言葉。

オー・マイ・ガー!!





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by dscorp-japan | 2017-01-09 12:21 | 映画・テレビ | Comments(6)

映画 『 海よりもまだ深く 』

 
長引く風邪に辟易としつつ ^^;
時間のある限りは自宅で療養しようと決めて、その間に観ようと思った映画を借りてきました。

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私が是枝裕和監督作品を観るのは
『 誰も知らない 』と『 花よりもなほ 』、そして『 海街diary 』に続いて四作目です。
是枝作品には他にも素晴らしい作品が沢山あることは存じているのですが
たとえば『 そして父になる 』など
あまりにも評判が良すぎると、却って手を出しづらいというか、天邪鬼な性格が災いしてというか・・・未だ観てないんですよね ^^;

でも
本作はレンタルがはじまったら絶対借りようと思っていたんです。
何となく、直感的に(これは絶対観たい!)と思ったので。
だから新作料金も気にせず(笑汗)
早々に借りて観たという次第であります。

(本作のあらすじなど詳細は公式HPをご覧ください)

結論から申しますと・・・観て良かったです。
本当に、観て良かった。


登場するのは
「ダメ家族」とまでは申しませんが、決して社会的に成功した家族ではありません。
キャッチコピーにもある通り
『夢見た未来とちがう今を生きる』人々を描いた作品であります。

舞台は、とある団地。
是枝監督ご自身、団地育ちだったとのことです。
私もまた団地育ち(正確には県職員住宅)の人間ですので
本作で描かれる、団地の様子とか人々の生活臭みたいなものに、まずシンパシーを感じました。
『みなさん、さようなら』も団地を舞台とした映画でした)

主人公は
成功しきれていない “ 自称 ” 作家。
その実、探偵事務所でバイトまがいの収入を得ながら、ほぼその日暮らしのバツイチ男。
元妻子のもとへ養育費を払わなければならないのに
収入があるとすぐにギャンブルにつぎ込んでしまい、結果仕送りも滞る。
そのくせ
自分には作家の才能があると信じて(或いは自分に言い聞かせて)夢を諦めようとしない。
元妻にそういうところを愛想を尽かされて別れ(させられ)たのに
自分の置かれている現実を分かっていない(というか受け入れようとしない)。

阿部寛さん演じるダメ男を
私たちは笑いながら観るわけなんですが・・・

でも実のところ
私たちもまた、このダメ男と相通じる部分があるんじゃないかと考えさせられます。
少なくとも私は
自分もまたこのダメ男と同じなんだなァと思いました。

私の場合
「夢見た未来といまが違った」というより
「大した夢も無いままいまに至った」というのが正しいような気がしますが
(ホントの自分はこんなじゃない!)と思ったことが無いかといえば、ウソになります。
具体的な夢は描けていなかったかもしれないけれど
ただ漠然と、何となく成功した自分を夢見たことがあるのはたしかです。
ただただ自分に才能があると過信して
「努力する」というプロセスを避けて通ってきた私は、本作のダメ男と変わらないのであります・・・


・・・しかし。
そんな私のような人間に
ダメ男の母親(樹木希林さん)は、救いの言葉を送ってくれるんですね・・・

まさに
『夢観た未来とちがういまを生きる』ことの意味を教えられます。
「こんなはずじゃなかった」今を、諦めないで生きられる希望を与えられます。

本作は
「今」に疲弊している、すべての人に観ていただきたい作品だと思いました。







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by dscorp-japan | 2016-11-28 04:03 | 映画・テレビ | Comments(0)

映画 『殿、利息でござる!』

 
本作に関する情報は何も知らないまま
ふらりと立ち寄ったレンタル屋さんで、ジャケ買いならぬ “ ジャケ借り ” した次第であります (^^ゞ

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阿部サダヲさんのこの顔見たら、借りるでしょそりゃ(笑)


前情報ナシに借りたんで
また例のごとく「クドカン&阿部サダヲ」ラインのお笑い映画かと思ってたんですが・・・
(映画の詳細は公式HPをご参照ください)


・・・いやはや、参りました <(_ _)>
今年観た邦画のなかでは
『あん』と並んで、個人的には現時点でツートップであります ♪

簡単に申しますなら
江戸時代、ある東北の村が財政難に陥っていて
これを打開すべく、無い金をかき集めて「お上」にその金を貸して、貸した利息で財政を立て直そうとしたという実話(!)を元にしたお話。


本作を観て
私は今更ながらに「お金」の大切さを痛感させられたものでした。

本作に出てくるオカネには皆、村人たちの汗が染みついています。
日々の労働で得た、なけなしの貯蓄を吐き出し
大切な家財道具さえも売り払って
とにかく「村の存続の為」という一念のもと「お上」に貸し出す原資を集める為に奔走します。
それこそ
今で言うところの「1円玉」のひとつも、決して無駄にしない。

この「お上への金貸しプロジェクト」
映画によれば、結果的に10年近くもの期間を要したものだったようです。

たとえばね
マイホームを買うための節約なら分かるんですよ。
でもこの村人たちは
自分や自分の家族の為ではなく、自分の暮らす村の存続の為に私財を投げ打つのです。
それを、約10年近くもの長きにわたって継続したというのです。

本作の原作は『無私の日本人』という作品だそうですが
まさに『無私』の精神がそこにあります。

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映画の原作本『無私の日本人』



「果たして金貸しが『無私』なのか」

お上に金を貸した利子は、たしかにお上から得ました。
しかしその原資は返却されないままなのです。
ただ毎年、その利子のみが村に支払われ
その利子を村人たちで分配したというのです・・・


エンターテインメントとしても、とても面白い映画でした。
そして私は是非
この原作本も読んでみたいと思った次第であります。







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by dscorp-japan | 2016-10-25 00:00 | 映画・テレビ | Comments(4)

ドラマ24 『 侠飯~おとこめし 』

 
やっぱり『ドラマ24』はイイのだ!!

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生瀬勝久さんのカッコイイことといったら・・・!


テレビ東京系列の番組枠『ドラマ24』。
私はそれほどテレビ(特に連ドラ)は観ないのですが
それでも番組改編期のたび、必ずこの『ドラマ24』の枠はチェックするんです。

この『ドラマ24』
過去にも素晴らしい作品が沢山ありました。

『 湯けむりスナイパー 』でしょ
『 モテキ 』でしょ
『 まほろ駅前番外地 』でしょ
『 みんな!エスパーだよ!』でしょ

・・・時折 “ アイドル枠 ” みたいなクールだとガッカリするけど ^^;
それにしても『ドラマ24』はヒット率が高い!

            ♢

そして昨日(残念ながら)最終回を迎えた『 侠飯~おとこめし~ 』

他のドラマとか知らないので比較できないんですけど
今回のドラマも(多分)今クールで最高の作品だったんじゃないかと(勝手に)思ってマス ♪

いわゆるグルメドラマですね。
グルメドラマといえば
同じくテレビ東京の『孤独のグルメ』シリーズ(これまた大好き!)がありますが
本作はまた、一味違った切り口の面白いドラマでした。

(ドラマのあらすじは上記リンクをご参照ください)

まずキャストが素晴らしい!
今回の主役である生瀬さん、ホンッッットにカッコイイ!
個人的には
生瀬さん史上、過去最高のカッコ良さでした。
そして
準主役の柄本時生さんも、相変わらずイイ味出してました ♪
(柄本ファミリーは皆それぞれ素晴らしい)
そういえば何話だったか忘れましたけど
柄本さんのお母さん役で、柄本さんの実母の角替和枝さんがチョイ役で出てたなァ(笑)

その他共演陣の皆様もそれぞれ、イイ感じでしたね~(途中下車した約一名を除いて)。

毎回クスクス笑える場面があって
一方で、それなりの人生訓みたいな話もあって
鑑賞後には素直に(あぁ~良いドラマだなぁ)と思えるものでした。

ホントに終わってしまったのが残念なドラマです・・・(><)


でも!
次のクールでは何と!
みんな大好きな『勇者ヨシヒコ』シリーズ最新作が放映だそうです!

『 勇者ヨシヒコと導かれし七人 』

これでまた年末までの三カ月間
毎週の楽しみが増えたってことですよ ♪


・・・しかし
これじゃまるでテレビ東京の回し者みたいだな・・・(^^ゞ





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by dscorp-japan | 2016-09-24 02:41 | 映画・テレビ | Comments(0)

映画 『 バチカンテープ 』

 
三連休ですが、あいにくのお天気模様 ^^;
ということで
連休前にレンタルビデオ屋さんに行って、いくつか映画を借りてきました。

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「禁断の映像」とやらがイマイチでしたけど・・・^^;


(映画の情報は公式HPをご覧ください)

私と同じように感じられた方もお有りかと思いますが
このポスターやDVDジャケットだけで “ B級映画臭 ” がプンスカ感じられます ^^;
それは承知の上なんですが
それでも「悪魔祓い(エクソシズム)」というキーワードに異常に反応してしまうのが私なのであります (^^ゞ

→ 関連する過去記事:
 『 エクソシスト 』
 『 エミリー・ローズ 』
 『 ザ・ライト - エクソシストの真実 』
 『 デビル・インサイド 』

・・・仮にです。
「エクソシスト」が存在し、これをヴァチカンが認めたとするなら
当然のことながら、ヴァチカンはまた「悪魔」の存在も認めたということになります。
これを信じるか否かは個々人の判断に委ねられるのでしょうが
少なくとも、映画のひとつのテーマとしては非常に興味がそそられるのであります。
上記過去記事のリンクを貼りました『 ザ・ライト - エクソシストの真実 』なんかは非常によく練られた映画だと思いますし
『 エミリー・ローズ 』のラストシーンなども、キリスト教(特にカトリック)的な含蓄に富んだものだったと思います。

つまり「悪魔」の存在を肯定するか否かの前に
私たちは不完全な存在なのだという謙遜さを持ちあわせるべきなのだと、私は勝手に解釈しております。

            ♢

さて、本作についての感想です。

まず鑑賞してみて
やっぱり少々B級映画ではあったなぁというのが正直なところです。
本作のような成り立ちの映画によくありがちなパターンなのですが
本作には、過去の名だたる名作ホラー映画のエッセンスが少々露骨に散見されます。
“ 元祖 ”『 エクソシスト 』はもちろんのこと
『 オーメン 』のストーリー性も『 エミリー・ローズ 』の視覚効果も感じられます。

・・・ホラー映画って
そのストーリーや表現に上品さが感じられないと、一気に冷めてしまうんですよね・・・

そして
特に本作のラストの持っていき方について個人的に感じたのが
『 ローズマリーの赤ちゃん 』と『 ナインスゲート 』。
(奇しくも両作共にロマン・ポランスキー監督です)

具体的なラストの表現については控えますが
他の方々のレビューなどを拝見しますと「続編を匂わせる終わり方」というご意見がけっこうありました。
たしかにそのように受け取れなくもないのですが
本作は、聖書の最後にあるヨハネの黙示録の、ひとつの解釈である「世の終わり」を具象化した表現ととれます。
つまり「悪魔がこの世を支配する時代がやってくる」というもの。
しかしながら
すると本作に続編があるとすれば、それは「キリストの再臨」というテーマを避けては通ることが出来なくなるはずなのであります。
・・・そうなるともう、ホラー映画として成立しなくなると思うんです。

本作をホラー映画として成立させるためには
『 ローズマリーの赤ちゃん 』や『 ナインスゲート 』と同じように “ 凶兆 ” を暗示させたまま終わらせるべきだと思うんですね。
つまり本作は「これで終わり」であるべきかと。


結局のところ本作は
「ヴァチカンが公式にエクソシストを認めた」という題材があってこその映画だったということなんですね・・・






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by dscorp-japan | 2016-09-19 02:12 | 映画・テレビ | Comments(2)

映画 『 神様の思し召し 』

 
公開してるのも知ってましたし
(なかなか面白そうだな)と興味もありました。
でも
私の住む名古屋で上映してる映画館が、たったの一館しかなかったんです。
それも、私の苦手な繁華街の映画館。
(まァDVDが出るのを待つかぁ)とか思ってたんですが・・・

先日
とある神父様が「久しぶりに良い映画を観たよ」と仰ったので、仕事の合間を縫って観てきました ♪


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(映画のあらすじ等は公式HPをご覧ください)


いやァ~、笑わせてもらいましたよ (^○^)
私は独りで映画館に行ったんですが
特に映画の前半なんて、けっこう笑いっぱなしで恥ずかしかった。

映画の性格上、結構クリスチャンの観客が多いかなと思ったんですが
少なくとも私が観た回では、どうやらそれほどでもなかったようです。
・・・で、ですね
こういう類の映画って、結構 “ キリスト教あるある ” 的な笑いがあるわけなんですが
そういう場面で笑ってるのが、どうやら私くらいだったみたいなんで。
他の観客が笑ってないところで
私ひとりが肩を揺らして笑いをこらえてるのが恥ずかしくって・・・(^^ゞ


本作はイタリア映画です。
キリスト教の、ある意味で “ 本場 ” の映画。
とはいえ
(当たり前といえば当たり前なんですが)
イタリア人にだって無神論者はいらっしゃるわけで
本作の主人公である外科医さんは「神などおらん!人を救うのは私たち医師である!」というスタンスのお方。
自分の跡継ぎと考えていた息子にゲイ疑惑が持ち上がっても動揺しないのに
その息子か「神父になる」と言いだすと大反対するわけです。
同性愛者でも構わんが、神父になるのだけは許さん!と。

そして
息子を感化した、元犯罪者であるカトリック司祭に近づき、何とかして息子を思いとどまらせようと画策します。
・・・その方法というのが
吉本新喜劇さながらの薄っぺら~い(←褒め言葉デス)偽装なんですね。
これが笑えるのなんのって!

よく
日本人の笑いのツボと欧米諸国の皆さんのそれは違うとかいわれますが
こと本作の笑いは、誰でもツボにはまること請け合い ♪
このくだりの面白さはキリスト教の知識が無くとも問題ナシです!


・・・映画の後半にさしかかるにつれて
主人公である外科医を通して、現代人の抱える様々な問題が提示されます。
神の存在は否定しつつも
自らの抱える問題に苦悩する外科医は、息子をたぶらかしたとされる神父に悩みを打ち明けたりします。

・・・よく
日本人の捉える「神様」って、キリスト教のそれとは相容れないといった解釈があります。
つまり
「八百万の神」という表現に代表される「すべてのものにはそれぞれの神が宿る」という解釈は、唯一神であるキリスト教のそれとは相容れないのではないかという。
しかし本作の神父様の語る「神」は
この、一見相容れないように思われる矛盾を、非常に単純明快に解決してみせます。

「神が宿る」という表現の真理を
無神論者である外科医に、分かりやすく提示するんですね・・・


そして映画の最後。
まだご覧になっていらっしゃらない方の為に、詳細を申し上げるのは控えますが
私はとても良い終わり方だったと思います。

その結末は大きな問題ではない、と。
どんな結末であったとしても
そこにはたしかに「神が宿る」のだ、と。
その象徴が「ナシの実」で端的に表現されます。
(詳しくは映画をご覧ください)

            ♢

まだ全国で公開されたわけでもないようです。
各エリアで順次公開されるようですので
映画公開日と劇場情報はコチラでご確認ください。


・・・本作、すべての方におススメです!






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by dscorp-japan | 2016-09-09 00:00 | 映画・テレビ | Comments(4)

映画『キリング・フィールド』のこと

 
映画ネタが続きますが
先日このような記事を目にしましたので。


私はシャンバーグ氏のことをよく存じ上げているわけではありません。
ニューヨーク・タイムズ紙のジャーナリストだったこと
ご自身のカンボジア特派員時代の経験が
映画『キリング・フィールド』のもととなったこと、くらいです。

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(日本公開は1985年)


つまり私は
この方のことを映画『キリング・フィールド』によって知ったひとりです。
(映画『キリング・フィールド』については、ウィキペディアをご参照ください)

            ♢

当時大学生だった私は
この映画の公開時、劇場に行って観てきました。

当時大学生だった私は
所属教会の教会学校スタッフとして(遊び半分で)お手伝いしていました。
そのスタッフの中には、南山中・高等学校の国際部で教鞭をとられていた方がいらっしゃいました。
当時このY先生はすでに老齢でしたが
非常にバイタリティに溢れ、当時若造だった私のことをとても可愛がってくれた、私にとっては恩人であります。
Y先生が私に
「日本では世界の動向の詳細がなかなか報道されない。
そんななかでも、この映画はとても考えさせられる良い映画だから、是非ご覧なさい」
と薦めて下さったのでした。
「映画で描かれることを額面通り受け取るのではなく
キミなりにあらためて史実を調べて、そのうえで自分の考えを固めなさい。
キミが教師を目指すのなら、是非そうすべきです」

映画鑑賞後
私がこの映画で描かれたことを調べることはありませんでした(ほんの少しは調べたんですが)
もちろん面倒くさかったことが主な理由なのですが (^^ゞ
何というか
あまりにも衝撃的過ぎて、直視する勇気というかモチベーションが無かった・・・


映画を観てきたことだけは、Y先生に報告しました。
Y先生がこう話されたことを、私はよく覚えております。

「そこにどんな崇高なイデオロギーがあろうと信念があろうと
子どもたちが戦争や内紛の被害者になるなら、それはすべて間違っているんです」
「何があろうと
子どもたちが最低限の衣食住と(正しい)教育を提供される環境でないとするなら
神様はその世界を、どうご覧になるでしょう?」

この映画の最後で
ジョン・レノンの『イマジン』が流れます。
ご周知の通り、名曲です。
これまでにも様々な場面でこの曲が使われたと思います。
しかし
この映画で流れる『イマジン』ほど、心に訴えかけることは無かったと思います。
先日ご紹介しました映画『楽園からの旅人』と同等かそれ以上に
本作は是非一度ご覧いただくことをお勧めいたします。
心が締め付けられますが
本当に素晴らしい映画です。

            ♢

最後に。
実はこの映画の音楽を担当したのは、私の敬愛して止まないマイク・オールドフィールドでありました。

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『キリング・フィールド』サウンドトラック


この映画のエンドロールで流れるのが
フランシスコ・タレガによる名曲『アルハンブラの思い出』を、マイクがアレンジした曲です。









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by dscorp-japan | 2016-07-11 15:31 | 映画・テレビ | Comments(0)

映画 『 楽園からの旅人 』

 
七月に入り
日頃お世話になっておりますいろんな教会へ、季節の御挨拶で回っております。
もちろん私一人では回りきれないので、スタッフ総出で分担制で。

そんななか
とある教会の神父様より「オカダさんへ」ということで、この映画のセルDVDをプレゼントされちゃいました ♪
(J神父様に深謝!)

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(2011年公開)


イタリアのとある町にあるカトリック教会。
どうやら信徒数が激減したことで、教会は取り壊しの憂き目に。
教会の司牧司祭は、取り壊されることに嘆きつつも成す術もありません。
取り壊しのはじまった晩
アフリカからの難民たちが、当局からの捜索から逃れるべく教会聖堂に忍び込んで隠れます。
彼らは聖堂内に段ボールや布切れを使って即席のテントのようなものを作り
その中で夜をやり過ごそうとします。
(これが映画の原題『段ボールの村』の所以でしょう)
その数、約20名。
難民たちのなかには怪我人もいれば、臨月の妊婦もいます。
彼らは皆、おそらく異教徒(多分イスラム教徒)でしょう。
爆弾を隠し持つ、過激派メンバーと思しき人もいます。
どうやら彼らはフランスへと渡航する途中のようです。

十字架像やマリア像の撤去された聖堂で息をひそめる難民たちを、老司祭は受け入れることにします。
怪我人の治療のため
正規ルートを通さずに医師を呼び、高価な薬も手配します。
夜のうちに妊婦が赤ん坊を出産すれば
イエスの誕生になぞらえた聖歌を歌って祝福もします。

次の晩、彼らはフランスへ旅立とうとしますが
どうやら難民支援者のなかに当局との内通者がいて、捜査の手は教会聖堂に近づき・・・


と、大体こんなあらすじかと思います。
(説明が下手ですみません m(_ _)m )


まず
本作は「今」の欧州の状況に対して、非常にタイムリーな題材といえます。
ご周知の通り
先ごろ、イギリスが国民投票によってEUからの離脱が決まりました。
その要因のひとつに「難民の受け入れに対する是非」があることも周知の通りです。
経済的な理由。
治安の悪化に対する懸念。
「オマエがイギリス国民だったら?」との問いかけに、私は答えに窮するばかりです。


老司祭が難民たちを匿ったのは
キリスト者としての、信仰に基づく信念なのか。
或いはひとりの人間としての善意なのか。

映画のなかで老司祭は、こう呟きます。
「私が司祭になったのは善を行なうためだが
善を行なうのに信仰は必要ない。
善行は信仰に勝る」

つまりこの老司祭は
司祭職としての自分に大きな迷いを抱えているということでしょう。

他の場面でも
自身が若かりし頃、教会に訪れたある若い女性に恋慕の思いを抱いたことに対する自責の念を吐露します。
自分を責め続けながらも、その思いは今に至るまで拭い去れない、と・・・。


ここからは私の理解です。
「善業は信仰に勝る」と語られますが
善業と信仰は、同じベクトルを指すものだと考えます。
ときに信仰は揺らぎます。
それは一般信徒も司祭職も同じなのだと思います。
しかしそんなとき
善業こそが、私たちの「迷い」や「躓き」を支えてくれる「杖」なのだと考えます。


だからこそ
この迷いを抱えた老司祭は、十字架やマリア像の撤去された聖堂に集まった難民たちを匿う過程で自身のあり方を再認識した、ということなのではないでしょうか。
それは司祭職としてというより
ひとりの、神に対する信仰に迷い続ける、不完全な人間として。

            ♢

率直に申しまして
万人にお勧め出来る映画、ではないのかもしれません。
しかし
他ならぬ「今」だからこそ、敢えて観る価値のある映画でもあると思いました。





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by dscorp-japan | 2016-07-09 18:57 | 映画・テレビ | Comments(4)

映画 『 俺物語!! 』を観て思い出した友人のこと

 
みんな大好き、鈴木亮平さん!

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この物語の原作とか
個人的には正直、全然興味がなかったんです(原作ファンの方、ゴメンナサイ)
とにかく私
鈴木亮平さんが出ているからという理由だけで本作をレンタルしました ♪

鈴木亮平さんといえば
それぞれの役に応じて体重を増減(=デ・ニーロ・アプローチ)させたりすることで知られていますよね~
役柄に向かう真摯な態度も好感が持てるのですが
一方で『HK/変態仮面』のような作品でも大真面目に演じられるところが大好きですなんですね~

(映画『俺物語!!』の詳細は公式HPをご覧ください)

もちろん映画はとっても面白かったデス ♪
大いに笑わせてもらったし
ヒロインの永野芽郁さんもとってもチャーミングだったし♡

            ♢

・・・ところで。
実は本作で鈴木亮平さん演じる剛田猛男クンをみていて、私はある友人をオーバーラップさせたんです。

(・・・あれ?
これってアイツと一緒じゃねぇか?)

“ アイツ ” とは
私の高校時代のクラスメイトであるK君のことです。

身体は大きく、髪型は五分刈り。
剛田クンと同じく柔道が滅法強くて
当時の名古屋市内の同学年では、文字通り「向かうところ敵なし!」という、とんでもない猛者でした(私が見に行った大会では全部一本勝ちで優勝!)
何よりも男気を大切にする。
正義感も人一倍強い。
純情で照れ屋で
女の子と話すのは全然苦手。

・・・ここまで全部、剛田クンと一緒(笑)

いやいやながらカラオケに行けば
歌うのは渡哲也の曲だけ(笑)

ただ、剛田クンと違うところがひとつ。
K君は非常に頭脳明晰でして
現役で慶応義塾大学の法学部に合格して、すんなり司法試験もパス。
つまりK君は今、弁護士です。

剛腕弁護士ということで
若かりし頃は、マル暴対策のお仕事に従事していました。
(こういうところも剛田クンの正義感とオーバーラップします)


・・・何が言いたいのかというと
『俺物語!!』の剛田クンのような人間って、現実にいるんだってことです。

正義感が強くて
腕力も強くて
同姓にモテる男。
それでいて純情で照れ屋さんで・・・
何たって、私の友人・K君がホントにそうなんですから!


そんなK君は今
弁護士を続けながら、何と!お寺の住職もやっています。
お寺の敷地内にデッカイ道場なんか作っちゃって(驚)
近所のお子さんたちに柔道と剣道を教えながら、仏の道を歩んでるんです。

・・・ね?
何というか
剛田クンの成長した姿を地でいってるって感じ、しませんか・・・?

そういう友人を持っていることを
私は誇りに思っております m(_ _)m





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by dscorp-japan | 2016-05-19 02:25 | 映画・テレビ | Comments(2)
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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