『 路傍 』 東山彰良
・・・最近
小説感想文ネタが少ないなァと、自分自身も気付いておりました。
昨年末の白内障手術も終え
視力も(それなりに)回復したわけですから、当然本は読んでるんです。
・・・単に「当たり」が引けなかったんです・・・
(こりゃ~面白かったなァ)という本に出会えてなかったということです。
・・・以前、畏友:西経一神父様に言われたことがあります。
「面白い本に出会うことも才能のうちなんだぞ」だそうな。
つまり
私には読書する才能が無いってことか・・・orz
俺、28歳。
金もなけりゃ、女もいない。
定職にも就いてない。
同い年の喜彦とつるんでは行きつけのバーで酒を呑み
泥酔したサラリーマンから財布を奪ったりしてはソープランドへ直行する日々。
輝いて見えるものなど何もなかった。
人生はタクシーに乗っているようなもので
全然進まなくても金だけはかかってしまう。
そんな俺たちに今日も金の臭いがするトラブルが転がり込む。
第11回大藪春彦賞受賞作。
(文庫本背表紙説明より)
自分の嗜好から申しますと
いつもの私なら、まず手に取らない類の小説だと思います。
ではなぜ、本作を手に書店のレジへ向かったのかと申しますと
巻末にある、馳星周さんによる解説を読んだからです。
・・・とにかくベタ褒めなんですよ。
東山さんの文才を、天賦の才と言わんばかりに。
あくまでも個人的なイメージですけど
馳さんって、何だかとってもハードルが高い方のような印象なんです(私だけ?)
何となくストイックで
ちょっとやそっとじゃ他者を褒めちぎることなんてない感じ?(勝手なイメージです)
そんな馳さんがベタ褒めなんです・・・
・・・で、読みました。
「面白い」というより
文章を追うことが楽しい小説でした。
(決して「面白くない」という意味ではなく)
何というか
ひとつひとつの文が、いろんな変化球で投げ込まれる感じ。
こちらの予測を裏切る切り口で攻めてくるのに
まるでそれがさも当たり前であるかのように、飄々と文章が続く感じ。
・・・う~ん、うまく言えないなァ (-_-;)
とにかく。
馳さんが仰るところの、東山さんの文才はその通りだと思いました。
少なくとも、真似して書ける文章ではないと思います。
あまりにも自由奔放な文章なのに、綻びが無いんです。
これって、センスの問題だと思うんですよね・・・
ストーリーに関する感想を申しますなら・・・
私は本作を読みながらずっと
昔のテレビドラマ『傷だらけの天使』を思い浮かべておりましたよ、と。
私の感性が正しいかどうかは保証できかねますが m(_ _)m
あのドラマの世界観がお好きな方ならきっと、楽しめると思います ♪
よきお仕事との出会いがありますように。