D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

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何とかならなかったのか

 
先日ご葬儀をお手伝いさせていただいた故人様は、独居のご老人でした。
ご結婚をされず、生涯を独身のまま過ごされた女性。
つまり御子息もいらっしゃらなかったわけで
故人様の所属した教会信徒の方々が定期的にご自宅を訪問されて、ご本人の話し相手になっていたということです。

そして、定期訪問の日。
新聞受けには数日分の新聞がたまっていたそうです。

お婆様が亡くなられていたのが発見されたのは、そのすぐ後でした・・・

いまは新聞の定期購読者である独居老人の安否確認サービスというのがあるそうですが
結果的にこのお婆様は、死後数日間発見されなかったということです。

定期訪問をされていた方は仰っていました。

「もっと頻繁に顔を出していれば・・・」

定期訪問といっても、毎日というわけにはいきません。
「今度は〇〇日に来るからね」
おそらくは、そういったお約束を更新しながらの訪問だったと思います。
教会のご友人方は、出来る限りのことをされたのです。


たしかに、葬儀屋さん的にはよくあるケース。
もちろん私も
これまでに何度も、同じようなケースのお葬式をお手伝いさせていただきました。

・・・正直に申しますと
若い頃の私は、こうした方の現場に伺った際は(可哀想に)と思う程度でした。
それ以上の感情も思考も無かったと思います。
良くも悪くも、冷静にお仕事するというスタンス。
・・・しかし。
私が歳をとったからなのかどうか分かりませんが
今は(何とかならなかったものか)という、強い思いに駆られるのであります。

おそらく
私自身が “ 独居老人予備軍 " であるということは多分にあるでしょう。
明日は我が身。
対岸の火事などではなく、私自身にも、いつ同じことが起こるか分からないのです。

誰にも看取られず
孤独のうちにその生涯を終え
その事実を誰にも気付いてもらえず
ようやく発見されれば警察による検視を受け
誰とも知らぬ葬儀屋さんに身体を見られ
手近な衣服に袖を通され・・・

(ごめんなさいね)
葬儀屋さんである私は、心の中で呟くしかないのです・・・


「完全に」回避する方法など無いのかもしれない。
でも
出来る限りで、何とかならないものか。
もっと出来ることがあるんじゃないのか。

実際のところ
今は様々な視点から、こうした問題を回避するための施策があります。
新聞販売店や警備会社による安否サービス。
民生委員さんによるサポート。
地域組織による相互扶助。

しかし
私の知る限りで申しますと、そうした周りからのサポートを拒否される方が結構いらっしゃるようです。

「人様の厄介になりたくない」
「ご迷惑をおかけしたくない」
或いは
「私のことなど放っておいて欲しい」
という方もあるかもしれません。

・・・たしかに、私もそう考えるかもしれない。

でもその結果
ご本人も、周りの人間も、決して本意でない結末を迎えてしまう。
そんなケースを、私も何度も見てきました。


ひとつだけ言えること。
人間は社会的な生き物です。
誰のお世話にもならずに生きていくことなど、出来ないものです。
誰しも迷惑はかける。必ず。
社会的な繋がりが希薄になったといわれる現代においてさえ
やはり、人は誰かのお世話にならないわけにはいかないもの。

「立つ鳥跡を濁さず」

それは理想です。
できれば私もそうありたいと思います。
しかし現実には非常に難しい。
ならば
人間の生死に繋がる事案においてこそ、お世話になって良いんじゃないか。
敢えて迷惑をかけるべきじゃないか・・・


定期訪問されていた方は、私の旧友です。
彼女の無念を思うと、私もやり切れなくなるんです・・・





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by dscorp-japan | 2014-11-15 00:00 | 葬儀 | Comments(0)
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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