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お葬式で歌われた “ Happy Birthday ”

 
亡くなられた方は、まだまだお若い奥様。
フィリピン国籍の方ですが
日本人のご主人とご結婚され、かわいらしいお子様もいらっしゃいました。
フィリピン本国からは故人様のお母様も駆けつけられ、その死を悼んでいらっしゃいました。
ご主人様は仏教徒でいらっしゃいましたが
奥様の信仰されていたキリスト教でのお葬式を選択されたという次第でした。

ご家族皆様ももちろんなのですが
故人様のお母様もまた、さぞやお辛かったことでしょう・・・

日本では『逆さを見る』という言い方があります。
親よりも先に子が亡くなるということです。
こうしたお葬式の場合
「(故人の)親は火葬場に付き添ってはいけない」などとも言われたりしたものですが、これはあくまで俗習です。
フリピン人のお母様にしてみればそんな俗信は関係ないことであって
もちろん火葬場にも付き添っていかれました。
むしろ
火葬習慣のないフィリピンの方にしてみれば、ご自分のお嬢様が荼毘に付される(火葬される)ことそれ自体が、我が身を引き裂かれるほどにお辛いに違いないのです・・・


葬儀ミサ・告別式のお祈りが終わり、ご家族が故人様とのお別れをされたいらっしゃるとき・・・
お柩にしがみつかれたままの(故人様の)お母様が歌いだされたんです。

“ Happy Birthday to You ~ ”

歌われるのを聴いて、私も思い出しました。
お葬式が行われていたその日は、故人様のお誕生日だったのでした・・・


・・・それなりに長く葬儀屋さんをさせていただいておりますと、こういったケースはままあるものなんです。

「お葬式の日がお誕生日だった」
「お亡くなりになられた日がお誕生日だった」
他には
「お葬式の日が(ご本人の)結婚記念日だった」
「先立たれた(故人様の)伴侶とご本人とが同じ日に亡くなられた」

他者からすれば「たまたま」ということになるのですが
当事者の方々にしてみれば、そこに何らかの意味を見出されるものなんですね・・・


長らく闘病生活を強いられたご本人に対して
きっとご家族は思われたに違いないのです。

(何とか次の誕生日までは・・・)

残念ながらご家族の思いは果たされなかったのですが
それでも「お誕生日に天国へ送るんだ」という意識が、お母様に歌わせたのでしょう。


日本人のお葬式の場合
仮にそういった意識があったとしても
(さすがにお葬式でハッピー・バースデイは無いだろう)
と思われるのではないでしょうか。
しかし
本来お葬式とはご家族やご親族のものであります。
ましてや葬儀の典礼が終わった後のお別れの時間は、当事者にとってのパーソナルな時間です。
ほんのわずかな時間ではありますが
そこだけは当事者方々の “ 完全に自由な時間 ” であり、この上ない大切な時間であります。


お母様が歌われた “ Happy Birthday ” は
どれほど美しい聖歌よりも
どれほど豪華な花束よりも
いちばんの、はなむけの歌だったのではないでしょうか・・・





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by dscorp-japan | 2014-06-14 14:35 | 葬儀 | Comments(2)
Commented by 牧政 at 2014-06-14 20:10 x
そうですか。そんな事もあるんですね。話はオペラ歌手ババロッティさんの葬儀ではお弟子さんのアンデレアさんのアヴェ・マリヤの歌の中お御堂からの出棺でした。外では多くのファンが手をたたいてお見送りしていました。お葬儀に拍手とは?
Commented by dscorp-japan at 2014-06-15 23:40
☀牧政さん。
オペラ好きの牧政さんならではの情報ですね~ ♪
>お葬式に拍手とは?
「亡くなられた方の功績を讃える」という意味での拍手なら
私は「有り」のような気がします。
感情の表現(表出)は自由でありますし
そこに悪い意味が隠されていないのであれば。
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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