D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

dscorp.exblog.jp Top

通夜の晩に付き添うこと

 
前夜式(通夜式)の終わった後
時折、ご遺族様からお尋ねいただくことがあるんです。
それもかなり申し訳なさそうに。

「やはり私たちは
棺のそばに夜通しいないといけないのでしょうか・・・」


このセリフを聞かれた皆様のなかには
(何て冷たいんだ!)とお考えになられる方もあるかもしれません。
そして
そう思われる方のお気持ちも、私は分かります。

・・・しかし。

これ、当事者であるご家族にしか分からないことってあるんですよ・・・


現代医学の発達は、私たちの寿命を大幅に伸ばしてくれました。
以前は早々に諦めざるを得なかった病でも
今なら完全治癒も含めて、病と闘うにあたっての希望が持てるようになりました。
それはご本人やご家族にとっての大きな福音であります。

しかし同時に
医療の発達はまた、闘病生活の時間を延ばしたとも言えると思います。
それが何を意味するのかと申しますと
必然的に、ご家族の方々が看病のために費やす時間と肉体的な労力を増やすことになるわけです。
それぞれの生活を犠牲にして
時間を割き、労力を割き、心を割いて、ご家族は看病にあたられるのです。
たとえ命の希望が薄れようと
いや、逆に命の灯がそれほど長くないだろうと思われるからこそ、ご家族はすべてを犠牲にしてご本人のそばに付き添われるのです。

いざお葬式の段になった際
すでに多くのご家族の皆様は、この上なく疲弊されていらっしゃるんですね・・・



冒頭のようなご質問をいただいた際、私はいつも申し上げております。

「(差し出がましいことを申しますが)
これまで皆様が故人様の為になさってきたことで
ご本人はもう、十二分に感謝していらっしゃると思いますよ」と。

そして
「今晩、疲れ切った心と身体に鞭を入れてお傍に付かれたとして
もし明日のお葬式に万全の体調で参列できなかったとしたら、はたしてご本人はそれを望まれるでしょうか」と。

「もちろんお傍に寄り添われたいのでしたら、ご無理のない程度になさればいいと思います。
ただ
『故人に申し訳ないから』という理由で、無理してまで付き添われる必要はないと思います。
皆さんが万全の体調でお葬式に臨まれることこそが
いまご本人がいちばん望んでいらっしゃることではないでしょうか」


・・・これはあくまでも私個人の考え方です。
正しいかどうかなんて、分かりません。
でも
少なくとも私が亡くなられた方の立場なら、そう思うに違いないから申し上げるんです。


だから皆様にお願いです。

通夜の晩、故人様のお傍を離れてお帰りになられる方のことを、安易に責めないでいただきたいんです。
他者には分からない
お葬式の場面だけでは分からない
これまでのご家族として関わってきた経緯というものがあるんです・・・







[PR]
by dscorp-japan | 2014-06-01 00:00 | 葬儀 | Comments(2)
Commented by 牧政 at 2014-06-02 01:58 x
岡田君。良くわかります。地域差、お国柄もあると思いますよ。先日あなたにお世話になった家族は亡くなられた方のそばに喪主とは違う誰か一人はいらっしゃいました。友引もあって遠くからのお別れの人に時間が。
Commented by dscorp-japan at 2014-06-02 23:49
☀牧政さん。
故人様のお孫さんでいらっしゃる喪主様は、まだ生まれて数カ月の赤ちゃんのお世話があったんですよね。
日本にいる(ほぼ)唯一のお爺様に対して
彼女が本当に一生懸命尽くされたことを、きっと神様はご覧になっていたことでしょう m(_ _)m
line

これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30