映画 『脳男』
この映画の原作本は、もう何年も前に読んだんです。
第46回・江戸川乱歩賞も受賞されてる作品だし。
でも正直
読んだときの印象はそれほど強いものではありませんでした。
物語や設定は充分に面白かったんだけど、結末がちゃんと終わってない感じ(続編アリな感じ)だったので。
実際のところ
『脳男Ⅱ』も刊行されているんですけど、何となく読む気になれずに放置のまま・・・(笑汗)
・・・とは言っても
やはり原作を読んだ人間としては、映画化されるとなるとどうしても観てみたくなるもの。
で、借りちゃいました~ ♪
(画像でかくてゴメンナサイッ)
(物語のあらすじその他の情報は映画公式HPをご覧ください)
原作を読んだのがかなり前だからなのか
結構新鮮な感覚で映画を観ることができました。
・・・いや
個人的には、原作より良かった部分も結構感じられたというのが正直な感想です。
こういうことって、結構珍しい。
個人的に
映画全体を通して、その配役が納得できるものでした。
まず
主人公・鈴木一郎役の生田斗真さんが、個人的にはハマり役でした。
元々この鈴木一郎という人物設定自体、かなり魅力的なキャラクターではあります。
ハリウッドあたりが嗅ぎつけたら
もしかすると勝手にシリーズ化とかしちゃいそうなほど、掘り下げようによっては面白い設定です。
で、生田さんの演技なんですけど
彼の無表情はもちろん無気味でもあるのですが、一方で純粋さとか高貴さも感じられて好感が持てました。
謎めいた主人公ではあるにせよ、観ている側として感情移入(?)出来る感じがしました。
・・・やっぱハンサムって強いなァ・・・(笑)
そしてもちろん、精神科医の鷲谷を演じられた松雪泰子さんも良かった。
昔のテレビドラマ『白鳥麗子でございます!』の頃から大好きなんです・・・(笑)
それからもうひとつ。
連続爆弾犯である緑川が、原作では男性であるのに対して、映画では女性に変わっていたこと。
映画ではこの緑川の役を二階堂ふみさんが演じていらっしゃったんですけど
これがまた、かなりイイ味を出していました ♪
この方
エキセントリック系とか不思議ちゃん系とかを演じられると、かなり素晴らしい。
現在はテレビドラマ『Woman』で、満島ひかりさん(大好き!)の妹さんの役をやられてます。
・・・さすが
ヴェネツィア映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞されただけの事はある!
っていうか、ヘタすると主人公を食っちゃってるかもしれません。
映画全体のテンポは、原作よりも良かったんじゃないでしょうか。
もちろん原作には原作の良さがあって
いわゆる精神疾患に関する細かい記述などは興味深いものがありました。
でも、それが一方で物語のテンポを鈍らせていたようにも感じられたので・・・
そして最後。
エンドロールに流れる音楽が、何とあのキング・クリムゾン ♪
プログレオタクの私にゃ~たまらん演出であります(笑)
流れた曲はこれ。
・・・まァ~
安直といえば安直なんですけど(笑汗)
でも
この曲が歌う『21st Century Schizoid Man 』って
主人公の鈴木一郎クンというよりも、二階堂さん演じるところの緑川を指しているような気がするのは私だけでしょうか・・・