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D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

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時が経つということ

 
それなりの長きにわたってこのお仕事をさせていただいておりますと
以前にご葬儀をお手伝いさせていただいたお客様からの「リピート依頼」というのがあります。

「〇年前にお世話になった〇〇と申します。
またお葬式のお世話になりたくお電話させていただきました」

大切な方を亡くされたご遺族様にとっては大変にお辛いことですが
私ども葬儀屋さんにとってみれば、以前施行させていただいたお客様からのご依頼というのは有難いものです。
以前の施行に対する、一定の評価はいただけたことの証しかと思われますので m(_ _)m

ただ
ご依頼者からの次の一言で言葉を失うこともあるんです。

「実は先回喪主(遺族代表)を務めた〇〇が亡くなりまして・・・」

この一言には、私どももしばし言葉を失うところであります・・・

「えぇっ・・・?」

思わず電話口で声に出してしまうこともしばしば、です。


ご指定先の病院などへ伺って故人様のご遺体と対面させていただきますと
そこには以前の面影のままのご本人が・・・

正直申しますと
私どもは、過去にご葬儀をお手伝いさせていただいたお客様すべての方のお顔を記憶しているわけではありません。
お名前とか、ご住所とか、所属教会とか
そういった情報から、おぼろげながら記憶を辿るという場合も少なくありません。
しかし亡くなられた方のお顔を拝見すると、一気に記憶が蘇るんです。
先回のご葬儀の折、ご本人とどのようなお話をさせていただいたか。
ご葬儀が行われたのがどんな季節だったのかとか。
ご葬儀の際、どのようなエピソードがあったのかとか。
大体の場合はほぼすべて、思い出せます。

・・・だから
すでに私どもとしては、お客様が他人でなくなっているんですね。
ほんの数日間ではありますが「共に同じ時を過ごした」という点で、他人じゃないんです。
思い入れが湧き出てくるんです。

有体にいえば “ 自分の客 ” ということなんでしょうが
もう少し深いところで(この方はオレが責任を持って送る!)という意識が、自然と湧きあがってくるものなんです。
それは葬儀屋さんとしての倫理観というよりも・・・小さなプライド、でしょうか。


・・・しかしその一方で、こうも思うのです。

(もうあれから〇年経ったんだなァ・・・)

先回のご葬儀から〇年。
その間、ご本人様はどのような時間を過ごされたんだろう。
いつから闘病生活に入られたんだろう。
長い間、病の苦痛と向き合ってこられたのだろうか。

そして
時間の経過とともに、死もまた順番に廻ってくるものなのだなぁ、と・・・

しばし、そんなことを思ってしまうものなのです・・・
by dscorp-japan | 2013-02-26 00:00 | 葬儀 | Comments(0)
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
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