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D’s(ディーズ)さんのぶろぐ

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お葬式の際にかける迷惑

 
「人は誰も独りでは生きてゆけない」

よく言われる言葉です。
人間って
生まれた瞬間から死ぬときまで(或いはその後でさえも)必ず誰かの助けが必要な生き物ですよね。
常に誰かのお世話になるし、場合によっては迷惑をかけることもあります。
でも、だからこそ人は助け合うわけで
「困ったときはお互い様」という考え方があるわけです・・・

            ♢

少し前のことです。
ウチの社員が担当させていただいたご葬儀の流れの中であったこと。

故人様のご遺体は、一旦病院からご自宅へ搬送されたんですね。
ご自宅はマンションだったんですが
通夜~葬儀の日程までの時間が長くなったこともあって、故人様のお住まいであったマンションの一室でご安置させていただきました。

で、通夜当日。
その方は教会で通夜~葬儀を執り行われる為、通夜当日の午後にご遺体を教会まで移送することになるわけです。

ご遺体の移送となると、当然寝台車が必要になります。
寝台車はマンションの玄関口に出来るだけ近いところに駐車させていただき
奥行きのあるエレベーターがあれば、ストレッチャーで故人様のお部屋のある階まで上がることになります。
(そうでない場合は担架でお連れすることになります)

お客様のマンションの場合
その構造上、寝台車は居住者の駐車場に乗り入れる必要があったんですね。
駐車場から玄関ホールまでの、出来るだけ距離の短いところに駐車させていただいて
出来るだけ急いでご遺体をお連れするわけです・・・

ウチの社員がお客様のお部屋でご遺体をお連れする準備をさせていただいている最中
玄関の呼び鈴が鳴ったのだそうです。
お身内のおひとりが玄関先へ出迎えると・・・

「ちょっと!
アンタんとこでしょ、縁起でもないクルマを駐車場の通路に停めたのは!
ウチのクルマが停められないじゃないのよ!」
(大体こんな言い方だったそうです)

お身内の方は驚かれながらも、急いでお詫びされたそうです。

「早くどかして、早く!」

ものすごく急かされたそうです。
ウチの社員もお詫びしたうえで、急いで故人様をお連れしたんだそうですが
その最中もしきりに急かされたんだそうです・・・(汗)

厳密に言えば、非があるのは私たち葬儀屋さんです。
居住者専用の駐車場ですし、寝台車の為にその方のクルマが駐車できなかったのは事実ですから。

しかし・・・

同じマンションの住人が亡くなられて
その方のご遺体をお連れすることも分かっていて
何故にそんなにお怒りになるのでしょうか。

「こんなときでもクレームを言われるのか・・・」

お客様、悲しそうに呟かれたそうです・・・



「腹が立つのを通り越して悲しくなったよオレは」

ウチの社員の言った言葉。

「あのバアちゃんの身内に何かあったとき
他の住人から同じような言われ方されたら、あのバアちゃんはどう思うんだァ?
何て寂しい人なんだろ・・・」


・・・私も同じ思いです・・・


「村八分」という言葉があります。

一説では、一部の助け合いを除いた関わりを絶つことを言います。
その一部の助け合いとは
・火事の際の消火活動
・お葬式の際の助け合い
このふたつ。
だから “八分” の残り “二分” は、絶交状態であっても助け合うわけです。

村八分でさえ、お葬式の時は助け合うんです・・・


ご迷惑は重々承知の上です。
どうかお葬式の時くらい、大目に見てやって下さいな・・・ m(_ _)m
by dscorp-japan | 2011-11-22 21:32 | 葬儀 | Comments(2)
Commented by はち at 2011-11-24 08:56 x
逆のエピソードになりますが・・・
私のおばあちゃんの通夜の時、当時あまりお付き合いのなかったご近所さんが予想以上に来てくださいました。
新聞にも載せず、静かに送ろうか~と家族で言っていたのにびっくりでした。
みなさん、「たまたま教会の前を通ったらお名前があったので・・・」と駆けつけてくださったことを思い出しました(^^)
Commented by dscorp-japan at 2011-11-24 11:33
☀はるさん。
「当時あまりお付き合いが無かったにもかかわらず、名前を覚えていて駆けつけて下さった」ことがスゴイと思います。
ご近所の皆様に感謝ですよね ♪
素敵なエピソードを有り難うございました m(_ _)m
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これでも葬儀屋さんのブログなのだ


by dysmas
line
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